2000 Fiscal Year Annual Research Report
動脈硬化治療戦略:CETPを標的とした遺伝子治療、阻害薬、過発現マウスと血管病変
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12670712
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
朔 啓二郎 福岡大学, 医学部, 教授 (40183371)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 孝男 琉球大学, 医学部, 教授 (70185271)
自見 至郎 福岡大学, 医学部, 助手 (30226360)
出石 宗仁 福岡大学, 医学部, 助教授 (20131807)
田代 英一郎 福岡大学, 医学部, 助手 (20271439)
野田 慶太 福岡大学, 医学部, 講師 (70289536)
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Keywords | 高比重リポ蛋白(HDL) / 生体内アポHDL代謝回転 / コレステロールエステル転送蛋白(CETP) / アポリポ蛋白A-I / SRB1 / ヒトCETP-Tgマウス |
Research Abstract |
最近の多くの臨床研究から、動脈硬化の防御因子としてのHDLが、高LDL-C血症よりも、虚血性心臓病(CHD)発症により大きな役割りを演ずることが明らかにされつつある。コレステロールエステル(CE)転送蛋白(CETP)によりHDLのCEはVLDLやLDLの中性脂肪(TG)と交換、転送される。TG-豊富なHDLは肝性リパーゼの作用により、粒子サイズが小さいHDL3になり、それは末梢からのコレステロール引き抜きを行い、大型のHDL粒子となり、そのCEは再びCETPによりLDL、VLDLに転送され、コレステロールは肝のLDL受容体やHDL受容体を介し代謝される。この一連のループをコレステロール逆転送系といい、HDLの主な働きである。そこで本研究班はCETPを標的としてそれを操作することにより、HDLを増減させ、その治療戦略が動脈硬化症の治療法として利用可能か否かを検討してきた。12年度は以下の実験を主に行った。 ヒトCETP-トランスジェニック(Tg)マウスを用いた βアクチンをプロモーターとしたヒトCETP-トランスジェニック(Tg)マウスを作製した。(1)CETP量はヒト生体の血清レベルの約20倍(高発現)、約40倍発現(超高発現)した2種のマウスラインを作製した。(2)ヒトCETP-Tgマウスの導入DNAの検定:遺伝子チェック、ホモ、及びヘテロの鑑定をマウス尾切断DNA採取しPCR法により可能にした。(3)ヒトCETP-Tgマウスにおいて、アポA-I,LDL受容体、CETP,PON,SRB1等の遺伝子発現を肝臓、及び腸管で検討した。Real-time PCRを用いた定量システム(5700S-Dシステムを使用)を完成させた。ヒトCETP-Tgマウスでは、LDL受容体mRNAの低下傾向(p<0.1)、SRB1(P<0.05)の遺伝子発現の低下を認めた。アポA-I、PONのmRNAは変化なかった。ヒトCETP-Tgマウスは、ワイルドマウスに比較して、血清HDL-C値が50%以下に低下しているが、それに伴った変化と考えた。(3)ヒトCETP-Tgマウス及びワイルドマウスで、生体内アポHDL代謝回転実験を行ったが、両群間に異化率の差はみられなかった。これは、プロブコール薬投与のCETP活性亢進とは違った機序である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 張波,三井田孝,朔啓二郎: "脂質・リポ蛋白代謝の分子機構, Preβ-HDL"日本臨牀. 59・増刊2. 80-85 (2001)
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[Publications] 朔啓二郎: "HDL代謝と虚血性心臓病"臨床と研究. 78巻1号. 135-139 (2001)
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[Publications] 朔啓二郎: "HMG-CoA還元酵素阻害薬の血清脂質,リポ蛋白,およびアポ蛋白レベルに及ぼす効果の比較試験"臨床と研究. 77巻11号. 2183-2186 (2000)
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[Publications] Saku K.,Zhang B.,Arakawa K.: "High-density lipoprotein as an indicator of CAD."Cardiology Review.. 17. 25-30 (2000)
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[Publications] Saku K.,Zhang B., et al.: "Hyperinsulinemic hypoalphalipoproteinemia as a new indicator for coronary heart disease."J Am Coll Cardiolo (JACC). 34. 1443-1451 (1999)