2001 Fiscal Year Annual Research Report
ファンコニ・ビッケル症候群の病態解明:ヘテロ保因者が腎性糖尿を呈する可能性
Project/Area Number |
12670722
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大浦 敏博 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (10176828)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
呉 繁夫 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (10205221)
根東 義明 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (00221250)
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Keywords | ファンコニ・ビッケル症候群 / 糖原病XI型 / ドミナントネガテイブ効果 / 腎性糖尿 / トランスジェニックマウス / GLUT2 / Cre loxP system |
Research Abstract |
昨年度の研究でFanconi-Bickel症候群のヘテロ保因者(V423E/wt)が腎性尿糖を呈することを見い出した。我々はGLUT2のV423E変異がドミナントネガテイブ効果をもち、そのためヘテロ保因者であっても腎性糖尿を呈するのではないかと考察した。今年度はこのV423E変異によるドミナントネガテイブ効果をトランスジェニックマウスの系を用いて証明を試みた。すなわち、ドミナントネガテイブ効果を持つ変異GLUT2cDNAをマウスに過剰発現させることにより機能的ノックアウトを作成しようとするものである。 まずヒト肝組織から正常GLUT2cDNAをクローニングし、次にV423E変異(1580T>A)をもつ変異cDNAを作成した。このプラスミドからDNAを切り出し発現ベクター(CDRE-GLUT2 : CAG-loxP-DsRed-loxP-IRES-EGFP配列を持つ)に挿入し、マウスC57BLの受精卵に顕微注入した。この内状態のよい卵をマウスに移植したところ32匹のマウスを得ることが出来た。transgenic miceではCAGプロモーターと変異GLUT2は離れているため変異GLUT2はこのままでは発現しない。よりプロモーターに近いDsRedは発現するためtransgenic miceでは赤色蛍光を発するはずである。現在得られた32匹について解析中である。赤色蛍光を発するCDRE-GLUT2マウスに対して、次にCre transgeneをもつマウスと交配させるとloxPに挟まれたDsRedが切り出され、CAGプロモーターと変異GLUT2が近付くためにGLUT2とその下流のEGFPが発現する。すなわち目的の変異GLUT2を過剰発現したマウスは緑色蛍光を発する様になるため識別可能となる。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 坂本修, 大浦敏博: "Fanconi-Bickel症候群"別冊日本臨床 領域別症候群シリーズ 先天異常症候群辞典. No.33. 668-669 (2001)
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[Publications] 坂本修, 小川英伸, 大浦敏博他: "Fanconi-Bickel症候群の3例"特殊ミルク情報. 37号. 16-20 (2001)