2000 Fiscal Year Annual Research Report
亜急性硬化性全脳炎(SSPE)の病態についての研究
Project/Area Number |
12670725
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
澤石 由記夫 秋田大学, 医学部, 講師 (90250894)
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Keywords | SSPE / RT-PCR |
Research Abstract |
Mタンパク遺伝子を検索するための予備実験として、SSPEウイルスでも麻疹ウイルスでも遺伝子配列が同様で、変異が少ないH蛋白遺伝子をターゲットにし、保存髄液中でもH蛋白遺伝子が確認できるかどうかを検討した。-80度に長期保存されたSSPE患者の髄液1mlをon iceで解凍し、即座に遠心した。上澄みを吸い取り、残100μlとし、RNA精製キット(QIAGEN、RNeasy Mini)を用いRNAを分離した。最終的に容量が30μlとなるようにし、その内5μlをone step RT-PCRキット(QIAGEN、OneStep RT-PCR Kit)の基質とした。麻疹ウイルスの遺伝子配列8106〜8701間が増幅されるように、長さ20merのprimerで挟みone step RT-PCRを施行した。この段階でPCR産物を確認できなかったため、さらに遺伝子配列8106〜8482間をnested PCR法で増幅した。その結果、PCR産物を確認する事ができた。種々の保存検体で検討し、5年前の保存髄液を検体としても、以上の方法にてSSPEウイルスを検索する事が可能である事が分かった。今後、Mタンパクをターゲットにし、治療経過に伴う保存髄液中SSPEウイルスMタンパクのhypermutationの変化について検索を進める予定である。
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