2000 Fiscal Year Annual Research Report
小児の急性リンパ性白血病と正常骨髄B前駆細胞の比較研究:新たな治療法の開発と白血化のメカニズムの解明
Project/Area Number |
12670730
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
真部 淳 東京大学, 医科学研究所, 助手 (20292849)
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Keywords | 急性リンパ性白血病 / 小児 / 骨髄 / FTOC / IL-7レセプター / NOD / SCIDマウス |
Research Abstract |
本研究は、ALL細胞の性質を解析することにより、難治性のALLの診断精度の向上と、新しい治療法の開発を目的としいている。ヒトのB前駆細胞型ALL細胞は、骨髄ストローマと共培養することによりin vitroにおいて分化・増殖させることは可能なことが示されているが、T細胞型ALL(T-ALL)をin vitroで培養することは、非常に困難と考えられている。最近、当研究室において、ヒトの骨髄の未分化な造血幹細胞を、NOD/SCIDマウスの胎仔胸腺とともに器官培養(FTOC:fetal thymus organ culture)すると、未熟なT細胞が分化・増殖することが示された(Ishii T,et al.J Immunol,1999)。今回同様の系を用いて、ヒトのT-ALL細胞をin vitroにおいて培養することができるかどうかを検討した。初診時のヒトのT-ALL細胞(多くは凍結検体)をNOD/SCIDマウス胎仔から得られた胸腺とともに培養したところ、7例全例において4週後にT-ALL細胞の増殖がみられた。これらの細胞は、培養開始時と同一のクロナリテイーを有した。また得られた細胞を再びFTOCに入れたところ、さらに増殖がみられたが、FTOCを用いずに液体培養したところ、生存する細胞は得られなかった。さらに、FTOC後の細胞を、放射線照射NOD/SCIDマウスに移植したところ、4-6ヶ月後にヒトのT-ALLを発症した。T-ALL細胞のうち、IL-7レセプター陰性のものは陽性のものに比較して増殖力が旺盛であった。また、T-ALL細胞の集団の中にIL-7レセプター陰性から陽性に分化する経路が存在することが示唆された。以上より、FTOCを用いることにより、ヒトの正常未熟T細胞と同様に、ヒトT-ALL細胞のin vitroにおける分化・増殖の再現が可能であることが示された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Manabe A: "Long-term remission induced by corticosteroids, cyclophosphamide, and methotrexate in a patient with natural killer cell leukemia."Med Ped Oncol. 34. 224-225 (2000)
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[Publications] Toyoda Y: "Six months of maintenance chemotherapy after intensified treatment for acute lymphoblastic leukemia of childhood."J Clin Oncol. 18. 1508-1516 (2000)
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[Publications] Ueda T: "Expansion of human NOD/SCID-repopulating cells by stem cell factor, FLK2/FLT3 ligand, thrombopoietin, IL-6, and soluble IL-6 receptor."J Clin Invest. 105. 1013-1021 (2000)
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[Publications] Yoshino H: "Natural killer cell depletion by anti-asialo GM1 antiserum treatment enhances human hematopoietic stem cell engraftment in NOD/Shi-scid mice."Bone Marrow Transplant. 26. 1211-1216 (2000)