2000 Fiscal Year Annual Research Report
アレルギーにおけるT細胞受容体と抗原提示分子の構造と結合に関する研究
Project/Area Number |
12670742
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
伊上 良輔 岐阜大学, 医学部・附属病院, 助手 (60273132)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 善一郎 岐阜大学, 医学部, 助手 (90303502)
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Keywords | 抗原特異的T細胞 / T細胞クローン / HLA class II / T細胞受容体 / CDR3 |
Research Abstract |
【研究目的】アレルギー疾患成立機序解明を目的に、抗原特異的T細胞株(TCL)およびT細胞クローン(TCC)を樹立、抗原提示分子と抗原peptideが形成するHLA-peptide complexと、これを認識するT細胞レセプター(TCR)の解析を行った。 【方法】牛乳アレルギー患者20例を対象とし、5例より6つのBLG特異的TCCを樹立した。BLGアミノ酸配列に従い22個のoverlapping peptideを合成し抗原として用いた。患者から採取した末梢血単核球(PBMC)をBLG抗原と共培養してBLG特異的TCLを樹立、限界稀釈法を行いBLG特異的TCCを樹立した。TCCが認識するpeptide断片を同定、N末端およびC末端から短く切断したtruncated peptideを合成しT cell epitopeを同定した。抗HLAmAbおよびallo PBMCを用いて抗原提示分子を同定した。TCCよりRNAを抽出してc-DNAを合成し、TCRα鎖およびβ鎖のspecific primerを用いてRT-PCRを行いTCR usage(Vα,Vβ,Jα,Jβ)を決定した。 【結果】5例の患者から6個のBLG特異的TCCを樹立した。4例はHLA dassII DRB1^*0405を有し、DRB1^*0405は4 cloneで抗原提示分子として機能していた。TCCが認識するペプチド断片はp30-47、p97-117、p142-162の何れかであり、p97-117は4 cloneに認識されていた。p101-112(KYLLFCMENSAE)がT cell epitopeと決定された。TCR usageには一定の傾向は認められなかったが、HLA-peptide complexと結合するCDR3α(complementarity determining region3)には特徴的なアミノ酸配列がみられた。'NKL"QKV'といった正に荷電したアミノ酸(K)を中心にアミド基をもったもの(N,Q)、疎水基(L,V)で構成され、N末端に'G'が豊富に存在していた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Inoue,R.: "Ielentification of β-lactoglolonlin-deviveol peptides and class II HLA molecules recognized by T cells from petients with milk allergy"Clin.Exp.Allergy. (in press).
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[Publications] Fujii,H.: "Autonomic regulation after exercise evidenced by spectral analysis of heart rate variability in asthmatic ahildren"Ann.Allergy Asthma Immunol.. 85. 233-237 (2000)