2000 Fiscal Year Annual Research Report
ステロイド骨粗鬆症とグルココルチコイド受容体遺伝子多型の関連
Project/Area Number |
12670749
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中島 滋郎 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (30270771)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島 雅昭 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (10252660)
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Keywords | ステロイドホルモン / 骨粗鬆症 / グルココルチコイド / 遺伝子多型 |
Research Abstract |
【目的】ステロイドホルモン薬の副作用のうち骨に対する影響は最も重要な問題の一つである。その出現には個人差が存在するが、それを規定する遺伝的因子についての詳細は明らかでない。今回我々はステロイドホルモン薬の受容体であるグルココルチコイド受容体(GR)の日本人における遺伝子多型について検討した。【方法】日本人健常成人の末梢血リンパ球よりゲノムDNAを抽出し、多型部位を含むDNA領域をPCR法にて増幅し、ダイレクトシークエンス法にてDNA配列を決定した。GR遺伝子多型のうち、欧米で報告されているN363S多型について、健常日本人43名について検討した。また当科で骨塩量および骨代謝マーカーを経時的に検討しているステロイド投与腎疾患患児9名についても同様の検討を行った。本研究は本学医学部倫理委員会で承認されており、また患者サンプルの解析に際しては、患者あるいはその保護者の同意を得て行った。【結果】健常日本人およびステロイド投与患児においてはN363S多型は認めなっかった。また、同部分の前後約200baseにも遺伝子多型は存在しなかった。【考察】GR遺伝子については欧米において報告されている多型(N363S多型)は日本人では存在しないことが確認された。他の遺伝子、例えばP450系酵素群でも白人や黒人と日本人の多型出現頻度が大きくことなることが知られており、日本人に特有の多型を検索し検討する必要がある。また、GR遺伝子のプロモーター領域について、さらに直接DNA配列を解析する予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] M.Akagi,K.Inui,S.Nakajima, et al.: "Mutation analysis of two Japanese patients with Fanconi-Bickel syndrome."Journal of Human Genetics. 45. 60-62 (2000)
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[Publications] S.Nakajima, et al.: "Effect of cyclic adenosine 3',5'-monophosphate and protein kinase A on ligand-dependent transactivation via the vitamin D receptor."Molecular and Cellular Endocrinology. 159. 45-51 (2000)
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[Publications] S.Matsumoto,S.Nakajima, et al.: "Interferon treatment glomerulonephritis associated with hepatitis C virus."Pediatric Nephrology. 15. 271-273 (2000)
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[Publications] H.Hirai,S.Nakajima, et al.: "A novel activating mutation (C129S) in the calcium-sensing receptor gene in a Japanese family with autosomal dominant hypocalcemia."Journal of Human Genetics. 46. 41-44 (2000)