2000 Fiscal Year Annual Research Report
糸球体腎炎におけるインテグリンを介したMAPキナーゼシグナリングの役割解明
Project/Area Number |
12670756
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
香美 祥二 徳島大学, 医学部・附属病院, 講師 (00224337)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒田 泰弘 徳島大学, 医学部, 教授 (20035471)
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Keywords | インテグリン / ECMリモデリング / ERKシグナル / 糸球体硬化 |
Research Abstract |
腎炎進行に関わる糸球体メサンギウム細胞(MC)の動態・機能を制御するために、MCと細胞外基質(ECM)結合によりβ1-インテグリン(IG)から発生するMC内シグナル伝達機構(MAPキナーゼファミリー経路)の分析を試み以下の結果を得た。 1.培養MCが発現するβ1-IGファミリーを介した細胞内MAPKファミリー経路の解析 腎障害時のMC増殖や異常ECMリモデリングに対応して発現変化するβ1-IG分子群の中で、α1β1 IGを対象として検討した。組織硬化/瘢痕形成(異常ECMリモデリング)のin vitroモデルとして頻用されるcollagen(COL)gel contraction assayを応用し培養ラットMCのα1β1 IGよりgel contraction時に発動するMAPKファミリー(ERK,SAPK/JNK,p38,BMK1)経路各々の活性化の有無を検討したところ、ERKが時間依存性に活性化し、MEK阻害剤によりgel contractionは抑制された。従って、ERKシグナルはα1β1 IGにより生ずる異常ECMリモデリング形成の重要な伝達経路であると思われた。さらに、ERKシグナルの下流にあると思われるAP-1活性化経路も、その阻害剤によりgel contractionが抑制され、ERK-AP-1経路がα1β1 IGによるECMリモデリングの主要シグナル伝達経路であることが判明した。 2.ドミナントネガティブMAPKK発現ベクターを用いたMAPK経路特異的阻害によるECMリモデリングへの影響の検討 1)で示唆されたERK-AP-1経路のECMリモデリングにおける役割・特異性を明らかにするために、ドミナントネガティブMAPKKcDNAベクターやドミナントネガティブAP-1ベクターを作成し、これらをMC移入してgel contraction assayを行ったところ、contractionがコントロールに比し阻害されることが判明しつつある。
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