2000 Fiscal Year Annual Research Report
下垂体細胞の分化に関わる転写因子病の病型分類とその臨床的多様性に関する検討
Project/Area Number |
12670759
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
木下 英一 長崎大学, 医学部・附属病院, 講師 (10295058)
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Keywords | 先天性複合型下垂体機能低下症 / 転写因子病 / PIT1 / PROP1 / HESX1 / LHX3 / Septo-Optic dysplasia |
Research Abstract |
下垂体前葉の器官形成過程は、口窩外胚葉由来のrudimentary pouchの形成に始まり、definitive pouchの形成、最終的には下垂体前葉に特異的な5種類のホルモン産生細胞へと機能分化する。 この下垂体前葉細胞の発生、分化過程は、ラトケ嚢内で発現する種々の転写因子群のカスケード機構によって制御されており、先天性複合型下垂体機能低下症(CPHD:Combined Pituitary Hormone Deficiency)はこれら転写因子のどの異常によっても起こりうると推測される。ヒトCPHDの病因として現在まで、1)POU1F1/PIT1異常による成長ホルモン(GH)/プロラクチン(PRL)/甲状腺刺激ホルモン(TSH)欠損症、2)PROP1異常によるGH/PRL/TSH/ゴナドトロピン/(ACTH)欠損症、3)HESX1/RPX異常によるSepto-Optic dysplasia、4)LHX3異常によるGH/PRL/TSH/ゴナドトロピン欠損症が同定されているが、本邦CPHD症例ではPIT1異常症以外の報告は極めて少なく、多くのCPHD症例の病因は依然不明である。今回、CPHD症例の病因解析とその臨床像の確立及び本邦CPHDの実態を明確にすることを目的として、全国からインフォームド・コンセントを得て集積しているCPHD30症例およびSepto-Optic dysplasia9症例を対象にPIT1、PROP1、HESX1、LHX3の遺伝子異常について解析した。今まで検討したCPHDおよびSept-Optic dysplasia症例では、いずれの遺伝子にも異常は検出されておらず、本邦にはこれらの遺伝子異常に起因する先天性複合型下垂体機能低下症は少ないと推定される。
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Research Products
(1 results)