2000 Fiscal Year Annual Research Report
成熟マウスの骨格筋へのアデノウイルスベクター高効率導入法
Project/Area Number |
12670761
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
木村 重美 熊本大学, 医学部・附属病院, 助手 (60284767)
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Keywords | 遺伝子治療 / Duchenne型筋ジストロフィー / アデノウイルスベクター / 成熟骨格筋 / ヘルパー細胞 |
Research Abstract |
我々の最終目的はDuchenne型筋ジストロフィーを治すことにある。アデノウイルスベクターを用いた遺伝子治療の欠点の1つとして、成熟筋細胞に感染が難しことがある。我々はアデノウイルスベクターをヘルパー細胞に感染させ、その細胞を直接筋注することにより、成熟筋細胞へ感染を可能とした。その原因はそのヘルパー細胞より、何らかの感染しやすくするファクターが出ているのではないかと考えた。今年度はin vitroでの実験を主に行なった。 方法;1、マウスの骨格筋よりマイオブラストを分離した。10%FCSを含むDMEMの培養液を2%FCSに変更することによりマイオブラストをマイオチューブに分化させた。2、ジストロフィン遺伝子を含むアデノウイスルベクター(AdBecker-dy)を25MOIでヘルパー細胞(293細胞)に感染させた。感染後、CytoPathic Effect(CPE)を示す2日後、その上精を0、1、10、20、50、100倍希釈した培地を先程分化させたマイオチューブの培地と入れ替え1日培養した。3、その後、lacZ遺伝子を含むアデノウイルスベクター(AdlacZ)を50MOIで感染させた。4、翌日、lacZ染色を施行した。 結果;いずれの希釈系列もマイオチューブにlacZ陽性を認めなかった。。 考察;感染したヘルパー細胞が何らかの感染させやすくするファクターを放出しているのであれば、AdlacZをマイオチューブに感染させることができると考えた。しかし、マイオチューブにはAdlacZを感染させることができなかった。よって、293細胞より細胞外へ感染させやすくするファクター放出すると言う仮説はこの実験より否定される。そこで、細胞と細胞の接着が非常に重要であると考えられる。今後、なぜ我々の方法で成熟筋細胞に感染できたか検討するため、in vivoで実験を進める予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Shigemi Kimura, et al: "Persistent gene transfer to skeletal muscle mediated by stably transfected early myogenic progenitor cells"Basic Applied Myol. (in press). (2001)
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[Publications] Msakatsu Ogawa et al.: "The lacZ gene under the control of the 7 kb of human dystrophin muscular specific promoter is expressed in cardiac muscle but not in adult skeletal muscle in transgenic mice"Neuromucular Disorder. (in press). (2001)
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[Publications] Joon Yung Lee, et al.: "Clonal Isolation of Muscle-derived Cells Capable of Enhancing Muscle Regeneration and Bone Healing."J.Cell Biol.. 150. 1085-1100 (2000)