2000 Fiscal Year Annual Research Report
アンチオキシダント酵素を用いた新しい間質性肺炎治療開発の試み
Project/Area Number |
12670764
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
田村 俊也 琉球大学, 医学部・附属病院, 助手 (70315480)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松浦 稔展 琉球大学, 医学部, 助教授 (00315467)
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Keywords | アンチオキシダント / 間質性肺炎 / グルタチオンリダクターゼ |
Research Abstract |
私たちはアンチオキシダント酵素であるグルタチオンリダクターゼ(以下GRと略)遺伝子にミトコンドリアターゲッティングシグナル(MTS)の塩基配列を組み合わせChinese hamster ovary(CHO)細胞に導入、GRをミトコンドリアで過剰発現するstable cell lineをすでに作製している。今回の研究に先だってこの細胞を用いヒトで間質性肺炎を引き起こすダイコート(DQ)に対する抵抗性を調べた。その結果、0.1mMDQ暴露に対し、CHO細胞とGRを細胞質のみで過剰発現させた細胞は48〜72時間で死滅したが、GRをミトコンドリアで過剰発現させた細胞は、暴露72時間では半数が生き残り、96時間後に死滅、抗酸化防御系においてミトコンドリアでの防御が重要であることが再度裏付けされた。以前行ったt-Buthyl hydroperoxidを用いた実験では暴露に耐えた細胞は生き残ったが、DQ暴露ではGR過剰発現細胞でも最終的には死滅している。DQのように活性酸素を産生させるタイプの薬剤に対し、グルタチオンは活性酸素は中和するがDQそのものを除去する作用は弱いと考えられ、こうした薬剤に対しては除去も重要であることが示唆された。現在私たちはGRを過剰発現する肺胞上皮細胞を作製中するため、GR遺伝子にMTSをコードする配列を組み合わせたDNAコンストラクトを細胞に導入、スクリーニングを行っている。目的のstable cell lineが得られれば、間質性肺炎を引き起こすDQやbleomycinを用いた暴露実験を行いミトコンドリア抗酸化防御システムの強化で細胞が守れるか検証したいと考えている。
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