2001 Fiscal Year Annual Research Report
パルボウイルスB19感染のスペクトラムと感染要因に関する研究
Project/Area Number |
12670765
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
工藤 亨 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (30117618)
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Keywords | パルボウイルス / B19 |
Research Abstract |
我々は、輸血血液を介してパルボウイルスB19(B19)感染が引き起こされた症例を経験したことから献血者におけるB19血症の頻度について検索し、献血者1000例中B19DNA陽性者は0.6%と高率であったことを既に報告した。さらに規模を拡大して検討するために1992年1月から5月まで札幌医科大学付属病院で輸血された3,342の濃厚赤血球について検索した。凍結保存された交差試験用セグメント血漿からB19IgM抗体とB19抗原をまずスクリーニングした。IgM抗体は抗体捕捉法、B19抗原は単クローン抗体を用いて検索した。IgG抗体測定は間接法、B19DNA検出にはPCR法を用いた。B19IgM抗体陽性は22検体、そのうちの11検体はIgG陽性かつB19DNA陽性で感染血液と考えられ、他の8検体はIgG陽性・B19DNA陰性から感染後期ないしは既感染あるいは疑陽性が疑われ、残り3検体はB19IgG陰性かつB19DNA陰性から偽陽性と考えられた。感染血液の頻度は0.33%と高率であった。献血者においてB19血症の頻度が伝染性紅斑の流行年で高くなる傾向がある。1992年は流行年であり高いことが予測されたが、同時期の異なる地域での報告と比較しても高率であることから本方式での検索が感度および特異性が高くスクリーニングに有用と考えた。
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Research Products
(1 results)