2002 Fiscal Year Annual Research Report
遅発型男子オルニチントランスカルバミラーゼ欠損症の分子疫学と発症予防の研究
Project/Area Number |
12670796
|
Research Institution | KURUME UNIVERSITY |
Principal Investigator |
芳野 信 久留米大学, 医学部, 教授 (40080569)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 順子 久留米大学, 医学部, 助手 (40258489)
原田 英明 久留米大学, 医学部, 助手 (90309790)
|
Keywords | オルニチントランスカルバミラーゼ欠損症 / スクリーニング / 発症予防 |
Research Abstract |
われわれは、ヒトornithine transcarbamylase (OTC)遺伝子のR40H変異を持つ個体の発症予防を目的とするスクリーニングと、一般人口中での遺伝子頻度を知るために同変異を簡便な検出方法の検討を行った。その方法として、昨年度は、まず野生型OTCとR40HOTCのそれぞれのPCR産物のTm値の差に基づいて両者を検出する方法を検討した。今回、そのためのPCRの至適条件を検討した。鋳型DNAとしては正常人末梢血および既知のR40H変異患者剖検肝から抽出したDNAを用いた。その結果、理論的な分子量のPCR産物の増幅可能な条件を確立できた。そこで今年度は引き続き、同条件でサイバーグリーンを用いた方法でPCR産物を電気泳動を行うことなくPCRチューブ内で野生型とR40H固体のPCR産物のTm値のちがいを検出する条件の検討を行ったが、野生型と変異型のTmの差異が理論値より小さく、両者の弁別は必ずしも確実にはできないことが分かった。そこで、今年度は方針を変更し、ARMS法に基づく変異検出の条件につき検討中である。すなわち、変異があると増幅しないが、野生型であると増幅するプライマーセット、野生型であると増幅しないが変異型では増幅するプライマーセットをそれぞれ設計して条件を検討中である。
|
Research Products
(9 results)
-
[Publications] Yoshino M: "Late-onset ornithine transcarbamylase deficiency in male patients : spectrum of clinical presentations, molecular pathology and molecular epidemiology"J Kor Soc Inher Metab Dis. 72-76 (2002)
-
[Publications] 猪口隆洋, 吉田一郎, 城後美佐, 田代恭子, 青木久美子 秋田幸大 徳永泰幸, 古賀靖敏, 芳野 信, 田中正敏: "GC/MS法による新生児代謝異常マススクリーニングで発症前に発見されたオルニチントランスカルバミラーゼ欠損症の1例"日本先天代謝異常学会雑誌. 17. 48-52 (2001)
-
[Publications] 芳野 信, 原田英明, 河野 剛: "薬物療法の開発と効果 L-アルギニン"小児内科. 33. 960-963 (2001)
-
[Publications] 芳野 信, 徳永泰幸, 栗谷典量, 西依淳, 市川光太郎, 久野 建夫, 黒丸龍一, 廣瀬伸一: "遅発型男子ornithine transcarbamylase欠損症 -分子病理、集団遺伝学と臨床-"日本先天代謝異常学会雑誌. 16. 45-50 (2000)
-
[Publications] 芳野 信: "先天性高アンモニア血症-最近の知見"日本小児科学会雑誌. 104. 827-830 (2000)
-
[Publications] 徳永泰幸, 原田英明, 芳野 信: "肝不全を呈する先天代謝異常症"小児科. 41. 2016-2022 (2000)
-
[Publications] Wada N, Matsuishi T, Nonaka M, Naito E, Yoshino M: "Pyruvate dehydrogenase E1 α subunit deficiency in a female patient : evidence of antenatal origin of brain damage and possible etiology of infantile spasms"Brain & Dev. 25(in press). (2003)
-
[Publications] Yoshino M, Tokunaga Y, Watanabe Y, Yoshida I, Sakaguchi M, Hata I, Shigematsu Y, Kimura M, Yamaguchi S: "Effect of supplementation with L-carnitine at a small dose on acylcarnitine profiles in the serum and urine and the renal handling of acylcarnitines in a patient with multiple acyl-coenzyme A dehydrogenation defect"J Chromatogr B. (in press). (2003)
-
[Publications] 芳野 信: "今日の小児治療指針 第13版"医学書院(in press). (2003)