2001 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト皮膚肥満細胞における細胞内S100蛋白信号系に関する研究
Project/Area Number |
12670823
|
Research Institution | Kagawa Medical School |
Principal Investigator |
窪田 泰夫 香川医科大学, 医学部, 教授 (10126047)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 良二 香川医科大学, 医学部, 教授 (00020917)
|
Keywords | 抗アレルギー薬 / S-100蛋白 / シグナル伝達 / 熱ショック蛋白 / シャペロン |
Research Abstract |
低分子カルシウム受容タンパク質(S100 protein family)を介する新しい細胞内信号系の仕組みを解明することを目的として、分子生物学的方法、生化学的方法に加え分子薬理学的方法により研究を進めた。本年度の研究実績として、(1)S 100proteinsと選択的に相互作用を持つ抗アレルギー薬(cromolyn, amlexanox, olopatadine)を分子プローブとして、薬物とS100A1の相互作用ついて各種のS100A1 mutantを作成して検討した。CromolynやamlexanoxはS100A1のC-teminalextensionと結合するが、olopatadineはややN-terminusよりの異なった部位に結合するる。これらのS100A1 mutantのカルシウム結合に伴うconformational changeおよび2量体形成能はwild typeと同様であることから、olopatadineは他の抗アレルギー薬とは異なった部位と結合すると結論された。さらに、olopatadineはS100A1の標的分子であるCapZ, twitchin kinase, Ndr kinaseとS100A1の結合することが明らかとなった。(2)これらの抗アレルギー薬の新たな標的分子である分子シャペロン(HSP90)と薬物の相互作用について研究した。CromolynはHSP90のN-terminal領域に存在するシャペロン領域(N-chaperone)に結合し、そのシャペロン活性を阻害する。一方amlexanoxはN-chaperone阻害作用はなく、C-terminal領域に存在するシャペロン活性を選択的に阻害した。また、これらの薬物はFKBP52, Cyp40, HopなどのCo-chaperoneとHSP90の結合をも阻害した。
|