2000 Fiscal Year Annual Research Report
血管肉腫バイスペシフィック抗体標識LAK養子免疫療法の臨床応用研究
Project/Area Number |
12670833
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
増澤 幹男 北里大学, 医学部, 助教授 (30129267)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 尚道 北里大学, 医学部, 助手 (90286287)
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Keywords | ヒト血管肉腫 / バイスペシフィック抗体 / LAK養子免疫療法 |
Research Abstract |
我々はヒト血管肉腫から樹立に成功した血管肉腫細胞株(ISO-HAS)を抗原にして血管肉腫特異的抗体作製を試み、その結果、正常血管内皮細胞に反応しない、極めて悪性内皮細胞に特異性の高いモノクローナル抗体(HEW-3)の作製に成功した。このHEW-3をDTNB(5.5'-dithiobis(2-nitro benzoic acid))でFab-s-NBを作製した。一方、LAK細胞に反応するCD3抗体をDTT(dithiothreitol)で還元しFab-SHとした。両者を当量モル数反応させ、ヘテロF(ab')_2のバイスペシフィック(BSA b)抗体を作製した。FACS解析でこのBSAb抗体の反応特異性はISO-HASとLAK細胞の両者に反応することを確認した。In vitroのcytotoxic assayではこのBSAbの存在下でLAK細胞の障害活性は非存在下に比して明らかに増強した。In vivo assayとしてヒト血管肉腫移植SCIDモデル(WB-SCID)の継代移植腫瘍塊5mm^3に対してLAK6x10^7とBSAb 20μgの併用を初回より1日おき4回のみ局注し、腫瘍サイズを経時的に計測した。なお、IL-2は2000Uを1日おき継続局注した。マウス移植腫瘍塊は各種対照群に比してLAK+BSAb併用投与群では82%以上の著明な腫瘍増殖抑制が観察された。この結果より、BSAb併用療法が臨床上血管肉腫に対するLAK免疫療法の抗腫瘍効果を高める確証が得られた。なお、現在当大学病院の倫理委員会でこのBSAb抗体の臨床治験に関しての審議がほぼ終了し、認可を待っている段階である。
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