Research Abstract |
平成12年4月から平成12年11月までに,骨転移に対する経皮的骨形成術は14人に行われた。患者の内訳は,男6人,女8人,年齢49〜80歳(平均65歳)で,原発巣は,肺癌,子宮癌各3例,乳癌2例,胃癌,膵癌,肝細胞癌,腎盂癌,前立腺癌,軟骨肉腫各1例であった。経皮的骨形成術は,同時性,異時性に19部位(頸椎3部位,胸椎8部位,腰椎8部位)に施行し,骨セメントの注入量は1〜8ml(平均3.3ml)であった。CT透視下により穿刺は全例施行可能であり,骨セメントも数例に周囲静脈への漏れは認めたが,臨床的合併症を起こさずに注入できた。疼痛の程度はvisual analogue scale(VAS)を用い,患者自身によりVAS scoreとして10段階で評価した。経皮的骨形成術施行前VAS scoreは平均7.5で,施行後は平均1.9と有意に減少し,疼痛の改善を認めた。その効果は,14人中12人に施行後24時間以内に発現し,この治療法の速効性が示された。また,経皮的骨形成術施行後8人に放射線治療を施行し,その8人の最終疼痛VAS scoreは平均0.5まで減少した。結果として放射線治療を加えた経皮的骨形成術の臨床的な疼痛改善効果は,完全除去10人(71%),部分除去4人(19%)となった。今回の結果は,骨転移の疼痛に対する経皮的骨形成術の臨床的有用性を示し,放射線治療の併用は更なる効果を認めた。また,CT透視を使うことによって,この治療法は安全に施行できることも確認された。
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