2001 Fiscal Year Annual Research Report
骨セメント注入療法と放射線治療併用による骨転移治療の臨床的有用性に関する研究
Project/Area Number |
12670858
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
高仲 強 金沢大学, 医学部・附属病院, 助教授 (00216673)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 健 金沢大学, 医学部・附属病院, 講師 (50186748)
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Keywords | 骨転移 / 骨セメント / 経皮的骨形成術 / CT透視 / 放射線治療 |
Research Abstract |
平成13年4月から平成13年9月までに、骨転移に対する経皮的骨形成術は5例に行われた。患者の内訳は、男3例、女2例、年齢54〜69歳(平均61歳)で、原発巣は,肝細胞癌2例、肺癌、膵癌、上顎洞癌各1例であった。経皮的骨形成術は、同時性、異時性に9部位(胸椎5部位、腰椎4部位)に施行し、骨セメントの注入量は4〜7ml(平均4.7ml)であった。CT透視下により穿刺は全例施行可能であり、骨セメントの問題となるような周囲への漏出はなく、経皮的骨形成術は臨床的合併症を起こさずに施行可能であった。疼痛の程度は評価不能であった1例を除き、visual analogue scale(VAS)を用いて患者自身によりVAS scoreとして10段階で評価した。評価可能であった4例7部位の経皮的骨形成術施行前VAS scoreは平均7.7で、施行後は平均2.7と有意に減少し、疼痛の改善を認めた。また疹痛の改善は、4例7部位中3例5部位に施行後24時間以内に発現し、この治療法の速効性が示された。また、4例7部位中6部位に経皮的骨形成術施行前後に放射線治療を施行し、その6部位の最終疼痛VAS scoreは平均1.3まで減少した。結果として放射線治療を加えた経皮的骨形成術の臨床的な疼痛改善は、6部位中4部位(67%)に完全除去を認めた。今回の結果は、昨年度の結果と同様に骨転移の疼痛に対する経皮的骨形成術の臨床的有用性を示し、放射線治療の併用は更なる効果を認めた。また、CT透視を使うことによってこの治療法は安全に施行でき、その技術はほぼ確立された。
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