2000 Fiscal Year Annual Research Report
Tc-99m標識長鎖脂肪酸の開発とその心機能診断薬としての評価に関する研究
Project/Area Number |
12670866
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
間賀田 泰寛 京都大学, 薬学研究科, 助教授 (20209399)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
多田村 栄二 京都大学, 医学研究科, 助手 (70303831)
|
Keywords | 長鎖脂肪酸 / Tc-99m / SPECT / ラット / 心機能 / 放射性医薬品 / 診断 |
Research Abstract |
心筋におけるエネルギー産生系としての脂肪酸代謝は心筋がその機能を維持するために根元的な生化学的反応であり、診断対象組織の質的診断を目的とする核医学検査において、この心筋脂肪酸代謝機能評価は重要な診断目標である。事実、本院においてもC-11-パルミチン酸を用いたPET診断、I-123-BMIPPを用いたSPECT診断が行われており、被験者の治療指針に大して有益な情報を与えている。しかしながら、心筋疾患は緊急を要する症例が多く、医薬品メーカーから供給されるI-123製剤や院内サイクロトロンを必要とするPET製剤では緊急性、利便性という観点から使用しづらく、ジェネレーターシステムにより容易に得られるTc-99mを用いて同様の診断が可能となることが強く望まれている。 申請者らはこれまでに肝細胞内で中鎖脂肪酸として認識されβ酸化を受ける中鎖脂肪酸誘導体であるMAMA-HAの開発に成功しているが、本研究ではまず、数種の炭素鎖長を有する脂肪酸誘導体を合成し、MAMA骨格を有した状態で長鎖脂肪酸として心筋細胞が認識するに最適な炭素鎖長の検索を行うこととし、炭素鎖長、15、11、5の各脂肪酸誘導体を合成した。この際、今年度に備品として購入したロータリーエバポレータを用いた。 合成後、Tc-99mによる標識を行い、HPLCにて分取することにより、放射化学的収率70%以上、放射化学的純度95%以上でそれぞれの標識体を得ることができた。ついで、得られた標識体をマウス、ラットに投与し、インビボにおける体内動態の検討を行ったところ、MAMA骨格に炭素鎖15を有する長鎖脂肪酸が最も高い心筋への取り込みを示すことを見いだした。
|
Research Products
(1 results)