2000 Fiscal Year Annual Research Report
肝受容体イメージング製剤を用いた、新しい肝特異的遺伝子導入法の開発
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12670869
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐賀 恒夫 京都大学, 医学研究科, 講師 (40273445)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 久隆 京都大学, 医学研究科, 助手 (60311734)
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Keywords | アンチセンスオリゴDNA / デンドリマー / 肝細胞受容体イメージング / インジウム-111 / ネオガラクトシルアルブミン |
Research Abstract |
オリゴDNAにアミド基を導みしておき、このアミド基に、キレートを結合させ、インジウム-111(In-111)で標識。これにより、効率のよい(標識率>90%)DNA標識が可能となった。 ネオガラクトシルアルブミン(GSA/NGA)は、ヒト血清アルブミシ(HSA)1個あたりに51個のガラクトース基を結合させて作成。NGAのSH基を活性化、遺伝子と複合体を形成するデンドリマー(G4)にマレイミド基を導入したものと反応させ、NGA-G4を合成。NGA-G4(またはHSA-G4)とIn-111標識DNAを100:1で混和し、NGA(or HSA)-G4/DNA複合体を形成し、マウスに静脈内投与、15分後の体内分布を調べたところ、肝臓への標識DNAの集積はNGA-G4/DNAの方が高かったが、その値は満足できるものではなく、同時に腎、肺、脾への高集積も見られた。これは、NGA-G4とDNAの結合が不安定で、かなりのDNAが血中で遊離したため、および高分子量の複合体が形成されたためと考えられた。 そこで、DNAとの結合力がより強いデンドリマー(G6)とNGAとの結合体を合成し、NGA-G4、NGA-G6とDNAとのより低分子量での複合体形成の可能性を検討した。種々の割合でNGA-G4(G6)とDNAを混和して、複合体の形成を調べたところNGA-G4:DNA=25:1、NGA-G6:DNA=5:1で複合体を形成しうることがわかった。 今年度は、NGA-G4(G6)/DNA複合体と単離肝細胞との反応性、細胞内移行性を検討するとともに、マウスでの肝臓へのDNA運搬効率をNGA-G4とHSA-G4、さらにNGA-G4とNGA-G6との間で比較検討し、効率のよい遺伝子運搬法を見出す。さらに、静脈内投与に加え、門脈内投与により、肝臓への移行性がさらに向上するかについても検討を加える。
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