2001 Fiscal Year Annual Research Report
肝受容体イメージング製剤を用いた、新しい肝特異的遺伝子導入法の開発
Project/Area Number |
12670869
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
佐賀 恒夫 京都大学, 医学研究科, 講師 (40273445)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 久隆 京都大学, 医学研究科, 助手 (60311734)
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Keywords | アンチセンスオリゴDNA / デンドリマー / 肝細胞受容体イメージング / インジウム-111 / ネオガラクトシルアルブミン / アビジン |
Research Abstract |
初年度の検討より、ネオガラクトシルアルブミン(GSA)と第4世代デンドリマー(G4)の結合体では、放射性標識オリゴDNA(olDNA)を効率よく肝臓に運搬できないことがわかったため、本年度は、olDNAの保持力がG4よりも強いと期待される第6世代デンドリマー(G6)とGSAを結合させて、olDNAの肝臓への運搬能を検討した。GSA-G6はolDNAとインビトロで安定な複合体を形成したが、これらを正常マウスに静脈内投与したところ、肝臓へのolDNAの集積は、olDNA単独の場合よりは高いものの、決して満足できる値ではなかった。 そこで、GSAと同様に豊富な糖鎖を有し、肝細胞に取り込まれると考えられるアビジン(Av)を用いて同様の検討を行うこととした。Avにビオチン(bt)を介して直接olDNAを結合させたもの(Av-bt-DNA)、およびG4をbtを介してAvと結合させ、これとolDNAと反応させたもの(Av-bt-G4/olDNA)の二種の複合体を作製し、正常マウスにおける体内分布を検討した。 Av-bt-olDNAを正常マウスに静注すると、肝臓への高集積が得られ(投与15分後:40.76%、60分後:38.31%)、一方他臓器へのAv-bt-olDNAの集積は低く、高い肝臓・バックグラウンド比が得られた。しかしAv-bt-G4/olDNA複合体を投与すると、肝臓への中等度の集積(15分後:21.04%、60分後:23.24%)に加え、非常に高い肺への集積(15分後:103.03%、60分後:73.00%)が認められ、高分子量の結合体およびその凝集体が形成され、肺にトラップされたものと思われた。 Avを用いる肝臓へのolDNA運搬の可能性が示されたが、Av-bt-G4/olDNA複合体では、凝集体形成の問題があり、門脈内投与など投与ルートを工夫する必要がある。
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