2001 Fiscal Year Annual Research Report
免疫組織染色を用いた実用的な癌の放射線感受性予測法の開発
Project/Area Number |
12670892
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Research Institution | SAPPORO MEDICAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
坂田 耕一 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (10235153)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
晴山 雅人 札幌医科大学, 医学部, 教授 (10173098)
大内 敦 札幌医科大学, 医学部, 助手 (70168863)
永倉 久泰 札幌医科大学, 医学部, 助手 (80244359)
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Keywords | 放射線感受性 / 免疫組織染色 / 低酸素細胞 / 微小血管密度 |
Research Abstract |
1.DNA2重鎖切断修復に関わる遺伝子の腫瘍及び正常組織における発現 『方法』異なる放射線感受性を持つ5種の正常及び12種の腫瘍組織の組織標本を用い免疫組織染色にてDNA-PKcs、Ku70、Ku85、XRCC4の発現を比較した。 『結果』DNA-PKcs、Ku70、Ku85、XRCC4の発現は、検討した全ての腫瘍細胞にみられた。DNA-PKcs、Ku70、Ku85では、核が染色され、XRCC4では核及び細胞質が染色された。腫瘍組織とそれに対応する正常組織間でもDNA-PKcs、Ku70、Ku85、XRCC4の染色強度に明らかな差がみられなかった。放射線感受性の異なる他の腫瘍間には、染色強度に差がみられなかった。 『結語』放射線感受性が異なる正常及び腫瘍組織における、DNA-PKcs、Ku70、Ku85、XRCC4の発現は、免疫組織染色では、明らかな差が検出されなかった。これらの研究成果により、放射線治療の対象である様々な放射線感受性を持つ人の正常組織及び癌組織においては、その放射線感受性の差は、DNA2重鎖切断の修復に関わる蛋白質の発現量に差があるのではなく、その機能の差に起因していると考えられた。よって、今後は、それらの蛋白質の機能を測定することが、臨床の放射線感受性予測に重要であるとの結論に達し、2.の研究を開始した。 2.患者のリンパ細胞のDNA-PK活性の測定 DNA-PK活性を測定する細胞としては、癌組織や照射される部位の正常組織の細胞のDNA-PK活性を測るのが理想であるが、DNA-PK活性測定に必要な組織量を得るのは非常に困難であり、また、通常の臨床の現場で施行可能な検査法を確立するのが本研究の大きな目標であるので、採取が容易なリンパ細胞を用いて、本研究を施行することとする。現在、頭頸部腫瘍患者、子宮癌患者、乳癌患者で、リンパ細胞のDNA-PK活性の測定中である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] K.Sakata: "Expression of genes involved in repair of DNA double-strand breads in normal and tumor tissues"Int. J. Radiat. Oncol. Biol. Phys. 49(1). 161-167 (2001)
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[Publications] H.Yamauchi: "Nuclear BAG-1 localization and the risk of recurrence after radiation therapy in laryngeal carcinomas"Cancer Let. 165(1). 103-110 (2001)
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[Publications] K.Sakata: "Clinical studies of immunohistochemical staining of DNA-dependent protein kinase in oropharyngeal and hupopharyngeal cacinomas"Radiation medicine. 19(2). 93-97 (2001)