2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12670927
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
橋本 大彦 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (90292911)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
染谷 利一 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (30301104)
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Keywords | 自閉症 / 分子生物学 / 遺伝子多型 / GRPR / X染色体 / 人種差 |
Research Abstract |
今回の研究では,自閉症におけるGRPR遺伝子について,変異の検索を行った。対象とした自閉症は,都内の作業所に通所しているか東大病院に通院中の自閉症患者であり,健常対照群は東京近郊の病院の職員である。全例について東京大学医学部研究倫理委員会で承認された手順に従って文書で同意を得た。自閉症全例について面接を行い,DSM-IVにもとづいて診断した。検索した遺伝子は,GRPR遺伝子のエクソン2についてである。 Gastrin-releasing peptide receptor(GRPR)遺伝子はいくつかの要因から自閉症の候補遺伝子とされている。現在の研究ではRPRの遺伝子の第2エクソンに二つの単塩基変異の多形が報告されている(C/450/T及びC/661/T)。この2つの多形は高確率で連鎖しており,北米における研究ではC450はほとんどC661を伴っており,同様にT450はT661を伴っている。 今回の研究では,これらの頻度は特に自閉症患者と正常検体の間で差を認めなかったが,C450、C660多形は北米の検体(30%以上)に比べ,日本の検体(6-7%)では非常に低く,GRPRの多形には人種差による影響が強いことが示唆された。 結論として,GRPR遺伝子と自閉症の間には特に関連は見られなかったが,今回の実験で日本人の多形の頻度が他人種を対象とした調査と異なったことをふまえ,GRPRを含む自閉症の候補遺伝子についてさらなる調査が必要と思われる。
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