2000 Fiscal Year Annual Research Report
精神分裂病、及びうつ病の感情認知に関する脳機能画像研究
Project/Area Number |
12670932
|
Research Institution | 福井医科大学 |
Principal Investigator |
大森 晶夫 福井医科大学, 医学部, 講師 (80242593)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米倉 義晴 福井医科大学, 医学部, 教授 (60135572)
山田 弘樹 福井医科大学, 医学部, 助手 (70252004)
|
Keywords | 表情認知 / 感情 / fMRI / SPM / 扁桃体 |
Research Abstract |
今年度は、研究計画調書に従い、感情認知に関する視覚刺激課題を作成し、右利き健常成人12人(男6人、女6人;平均年齢24.4±2.4歳)に対して同課題遂行中のfunctional MRI(fMRI)を施行した。被験者には、スクリーンに3秒毎に映し出される見知らぬ同一人物の2つの顔の表情(一方は陽性-笑い、または陰性-怒りや嫌悪の感情を表出した顔、他方は感情を表出していない中立の顔)のうち、どちらが感情を表出しているかを判断させた。対照課題では2つの並んだ四角形の大小を判断させた。3回ずつの陽性感情価弁別課題と陰性感情価弁別課題、6回の対照課題を、block-designで交互に繰り返した。fMRIの撮像は、1.5Tesla MRI(GE,USA)を用いて扁桃体を含む中側頭葉を中心とした12スライス(スライス厚5mm、スライス間隔1mm)のT2^*-weighted EPIを撮像した(TR/TE=3sec/40msec,a flip angle=90°,matrix64x64)。得られた脳機能画像データは、SPM99bを用いて画像および統計処理し、感情価弁別課題施行時と対照課題施行時の信号差をrandom effect modelを用いて解析した(閾値はp<0.001,uncorrected)。両感情価弁別課題と対照課題の正解率は90%以上と高かった。陽性、あるいは陰性感情価弁別課題では対照課題と比較して、両側の扁桃体、両側中前頭回と陰性課題では左の下前頭回も加えた前頭前野、補足運動野に有意な賦活を認めた。なお両側扁桃体賦活は、p<0.05,correctedの有意水準は満たさなかった。また両感情価弁別課題の直接比較では、有意差は認められなかった。 本課題のような感情を表出した表情認知の際に扁桃体の関与が示唆され、次年度は精神分裂病患者において同課題遂行中のfMRIを施行し、本結果との差異を検討する。
|