2001 Fiscal Year Annual Research Report
新生仔ラットの脳内遺伝子発現の阻害による精神分裂病モデル動物の作成
Project/Area Number |
12670955
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Research Institution | UNIVERSITY OF THE AIR |
Principal Investigator |
仙波 純一 放送大学, 教養学部, 教授 (30183429)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須原 哲也 放射線医学総合研究所, 脳イメージングプロジェクト, 特別上席研究員 (90216490)
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Keywords | 精神分裂病 / アンチセンス / 動物モデル |
Research Abstract |
精神分裂病の神経発達障害仮説に基づけば,神経系の発達に重要な役割を果たしている遺伝子の異常が,発達障害の原因の一つと仮定できる.われわれは,antisense oligoを含むgelを用いたアンチンス法を採用し,精神分裂病の動物モデルの作成を試みた.Methamphetamineによって発現が誘導されることが確立しているc-fos遺伝子のantisense oligoを含むgelを用意し,ラットの海馬あるいは線条体の両側に注入し,24時間および72時間後にmethamphetamine 6 mg/kgを腹腔内投与した.投与3時間後に脳を灌流固定しFosタンパクの発現をimmunohistochemistryで検討した.その結果,antisense oligo投与によって72時間後の時点でも,Fosタンパクの出現が抑制されており,この間antisenseの活性は持続していることが分かった.この予備的な結果を基に,さらに生後5日目の新生仔ラットの海馬および線条体に,c-fos antisense oligoを含むgelを脳内投与し,生後35日目にmethampbetamine 6 mg/kgの腹腔内投与によって生じる常同行動を検討した。しかし,これらの遺伝子の発現抑制によっても成熟期のドーパミン機能の行動上の亢進は認められなかった.このことは,Fosタンパクの発現を生後数日間海馬あるいは線条体で抑制しても,成熟期のドーパミン機能には影響がみられないことを示している.しかし,gel封入法は少なくとも目的遺伝子機能を数日間抑制するのには有効であることが確認された。今後BDNFやReelinなど神経発達に関連する遺伝子のantisense oligoの新生仔ラットへの投与が,成熟期のドーパミン機能への影響を検討する必要があると考えられた.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Semha, J.: "Neonatal treatment with L-NAME (NG-nitro-L-arginine methyl ester) attenuates stereotyped behavior induced by acute methamphetarnine・・"Progress in Neuro-Psychopahrmacology & Biological Psychiatry. 24. 1017-1023 (2000)
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[Publications] Semha, J.: "Chronic lithium chloride injection increases glucocorticoid receptor but not mineralocorticoid receptor mRNA expression in rat brain"Neuroscience Research. 38. 313-319 (2000)
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[Publications] Semha, J.: "Neonatal phencyclidine treatment selectively attenuates mesolimbic dopamine function in adult rats・・・"Synapse. 40. 11-18 (2001)
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[Publications] Maeda, J.: "In vivo binding properties of [carbonyl-11C] WAY-100635 : effect of endogenous serotonin"Synapse. 40. 122-129 (2001)
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[Publications] 仙波 純一: "フェンシクリジン慢性投与後のドーパミン起始核でのGDNFとその受容体mRNAの変化"神経化学. 40. 432 (2001)
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[Publications] 仙波 純一: "ニコチン離脱はラットのHPA axisのストレスに対する反応を減弱させる"日本神経精神薬理学雑誌. 21. 365 (2001)