Research Abstract |
大野外来受診患者のうち摂食障害の診断基準を満たす患者105名に書面で同意をとった後にパーソナリティーに関する質問紙Temperament and Character Inventory(TCI)(Cloninger et al.)とNEO Personality Inventory(Costa et al.)と幼小児期の主観的親子関係を調べるParental Bonding Instrument(PBI)(Parker et al.)を行い、同時に末梢血10mlからゲノムDNA解析を行ってVNTR(variable number of tandem repeat)やRFLP(restriction fragment length polymorphism)などの各遺伝子多型の対立遺伝子を同定した。対象者の平均年齢は21.8歳であり、病型分類ではAN-R群が24名、AN-B群が31名、B-AN群が26名、BN群が24名であった。具体的に検討した遺伝子多型の分布は、セロトニン輸送体(5HTT)ではAN-R群s/s 19 l/s 5 l/l 0 ll/s 0,AN-B群s/s 22 l/s 5 l/l 3 ll/s 1、B-AN群s/s 12 l/s 12 l/l 1 ll/s 1、BN群s/s 15 l/s 8 l/l 0 ll/s 1,でtotal s/s 68名 l/s 30名 l/l 4名0 ll/s 3名またドーパミン受容体(DRD4)遺伝子多型においては、AN-R群ではくりかえし配列がd22 0,d23 0,d24 5,d34 0,d44 19,d45 0,d46 0,d47 0,AN-B群が0,1,3,0,22,2,2,1,B-AN群が0,0,5,1,15,4,1,0,BN群で1,0,3,0,19,0,1,0,total d22 1名 d23 1名 d24 16名 d34 1名 d44 75名 d45 6名 d46 4名 d47 1名であった。このように摂食患者群においても、一般人口と同様に5HTT多型においてはs/s、DRD4多型では4/4の頻度が最も高かったが、B-AN群ではそれ以外の遺伝子型を示すものが多くみられた。
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