2001 Fiscal Year Annual Research Report
摂食障害患者のパーソナリティーの特徴:遺伝と環境の相互作用
Project/Area Number |
12670956
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
大野 裕 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (70138098)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 寿光 慶應義塾大学, 文学部, 助教授 (30193105)
平野 雅己 山梨医科大学, 精神神経科講座, 講師 (80228808)
神庭 重信 山梨医科大学, 医学部・精神神経学講座, 教授 (50195187)
吉村 公雄 国立がんセンター研究所, 研究員 (10265910)
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Keywords | 摂食障害 / ドーパミントランスポター / 遺伝子 / DAT1-VNTR / 神経性無食欲症 / 神経性大食症 / 過食 |
Research Abstract |
本年度は、摂食障害患者と健常対照群とを対象にして、ドーパミントランスポター遺伝子の3'非翻訳領域に存在する繰り返し配列多型(a variable number of tandem repeats in the 3'untranslated region of the dopamine transporter gene(DAT1-VNTR))に関してcase-controlled association studyを行った。DAT1-VNTRを研究対象とした理由は、脳内のドーパミン神経系が食欲の調整に関与していることに加えて、報酬系に関与していることが示されていることによる。とくに、ドーパミン神経系は物質依存との関係が指摘されているが、摂食障害と物質依存との併存が多いことからも、ドーパミン神経系が摂食障害に何らかの形で関与している可能性が考えられる。書面による同意を得た後で、研究に協力した女性の摂食障害患者103名および女性の健常対照群115名のDAT1-VNTRを調べた。摂食障害の内訳は、神経性無食欲症制限型24名、神経性無食欲症むちゃ喰い/排出型31名、神経性大食症48名であった。その結果、正常対照群と比較して、過食症状bulimic symptomsを有する患者群で短いalleleを持つ群が有意に多かった。神経性無食欲症制限型に関しては、正常対照群と有意の差が認められなかった。この結果から、神経性無食欲症制限型が過食症状を有する患者群と遺伝的に異なる疾患群である可能性が示唆された。
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