2001 Fiscal Year Annual Research Report
アルツハイマー病モデル動物の神経病変に及ぼすワクチンによる治療効果の研究
Project/Area Number |
12670960
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
田所 衛 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (80081644)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 光文 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (30231971)
崎山 武志 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教授 (20130510)
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Keywords | アルツハイマー病 / アミロイド斑 / アミロイドβペプチド / モデルマウス |
Research Abstract |
アミロイド斑がアルツハイマー病の原因であるかどうか現時点では不明だが,最近アミロイドβペプチドをワクチンとしてPDAPPマウスに投与すると,アミロイド斑の沈着が顕著に減少したとの報告がなされた。そこで病的老化であるアルツハイマー病のモデル動物としてニーマンピツク病C型(NPC)マウス(spm)およびダウン症(Dn)のマウスを用いてアミロイドβペプチドを投与し,投与前と後の脳組織を用いて,アミロイド斑の分布と神経原線維様変化の有無と,アミロイドβペプチドが病的老化を示すアルツハイマー病の本態か否か,その治療効果の判定を検討することを本年度の研究計画とした。spmに対して,ワクチン投与を出生後2w目から死亡まで行った。その結果,寿命の延命には無効であった。脳の病理所見上,神経細胞の変化に差はなかった。しかし,無治療spmに比べて,ワクチン投与spmではアストログリアの反応が少な目であり,間接的な影響がある可能性が示唆された。なおこのspmも13週齢で死亡する為,より長期の効果判定の為に,Dnマウスに対してワクチン投与を行った。この結果,大脳皮質,海馬の神経細胞の萎縮は,4ヵ月齢(ワクチン投与後7週)から,10カ月齢(ワクチン投与後8カ月)長期生存マウスの間で進行性であった。また長期生存マウスで,淡蒼球の石灰化も出現し,Basal forebrainにはグリオーシスが出現した。4ヵ月齢では投与/非投与マウスの所見に差はなかった。一方,大脳皮質下白質のグリオーシスはGFAPの免疫染色では長期生存Dnマウスで軽度になっていた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 河村 英博, 田所 衛他: "明らかな心筋症状,知能発達遅滞をみないLysosomal glycogen storage disease with normal acid maltaseの一例"臨床神経学. 40・3. 259-262 (2000)
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[Publications] Sugihara H, Tadokoro M et al.: "An autopsy case of hemilaterally dominant and Systematic extensive border zone infarction"Neuropathology. 21・4. 278-287 (2001)
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[Publications] Suzuki H, Tadokoro M et al.: "A case of anaplastic ganglioglioma with sarcomatous component"Neuropathology. (in press). (2002)
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[Publications] 川名 裕, 崎山 武志他: "ムコ多糖症VI型のモデルラットに対する骨髄移植の効果"聖マリアンナ医大誌. 29・5. 459-468 (2001)
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[Publications] Orimo H, Sakiyama T et al.: "Importance of deletion of T at nucleotide 1559 alkaline phosphatase gene with hypophosphatasia"J Bone Miner Metab. 20. 28-33 (2002)