2000 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄巨核球の選択的大量培養と産生された血小板(培養血小板)の機能解析
Project/Area Number |
12670972
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
長澤 俊郎 筑波大学, 臨床医学系, 教授 (70014298)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 陽治 岩手医科大学, 医学部, 講師 (70151389)
中内 啓光 筑波大学, 基礎医学系, 教授 (40175485)
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Keywords | 巨核球造血の増幅 / 培養血小板 / 血小板輸血 |
Research Abstract |
本研究では造血幹細胞から巨核球造血を選択的に増幅し、in vitroで効率よく血小板を産生させる培養系の開発を計画し、培養血小板を血小板輸血への応用を検討した。 本年度はex vivoでの造血幹細胞から巨核球造血の増幅、胞体突起形成法に更なる改良を加えた培養系、血小板回収法を確立するとともに培養血小板の機能解析を行い、培養血小板による血小板輸血への応用を検討した。 巨核球の選択的大量培養法はマウス骨髄細胞をlineage抗体(B220,Gr-1,Mac-1,Thy-1,TER119抗体を混合したもの)にて処理し、二次抗体標識磁気ビーズにてLineage陰性分画を回収し、さらにc-Kit,Sca-1,抗体陽性分画をFACS vantageにてsortし、マウス早期造血幹細胞(CD34-/c-Kid+/Sca-1+/Lin-)の精製した。早期造血幹細胞をマウス骨髄から樹立した細胞株(HESS-5)上でstem ce11 factor+IL-3の存在下で精製した早期造血幹細胞を増幅した後、IL-3 (100ng/ml)+murine thrombo-poietin(100ng/ml)+erythropoietin(5U/m1)の存在下で7日間液体培養し、巨核球を誘導した。早期造血幹細胞1個あたり約1000個の巨核球が誘導可能であり、通常の5倍の巨核球が誘導された。培養上清を回収し、塗抹標本を作製すると、血小板が確認された。放射線照射血小板減少症マウスに5x10^9/mlの血小板浮遊液1mlを輸注した結果、血小板数の増加(期待値の15%)、出血時間の短縮が認められた。以上の結果から培養血小板にも止血効果が証明された。今後、培養血小板の機能をin vitroでも検討する予定である。
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