2001 Fiscal Year Annual Research Report
前白血病状態としての発作性夜間血色素尿症(PNH)の分子病態
Project/Area Number |
12670998
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
中熊 秀喜 熊本大学, 医学部, 助教授 (90207746)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀川 健太郎 熊本大学, 医学部, 助手 (40322309)
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Keywords | 発作性夜間血色素尿症 / 遺伝子変異 / 骨髄細胞 / T細胞 / HPRT |
Research Abstract |
発作性夜間血色素尿症(PNH)ha造血幹細胞変異に起因し、溶血や造血不全に加えて白血病を高率に発生する。これまでの研究成果から我々は「造血細胞に遺伝子変異が発生しやすい」ことを提唱している。そこで本研究では高感度の変異率測定法が確立されているHypoxanthine-guanine phosphoribosyltransferase (HPRT)遺伝子を用いて好変異を実証すると共にその原因解明を試みた。その結果、6チオグアニン(6TG)耐性を指標にしたHPRT遺伝子変異Tリンパ球の検出率はPNH患者で8人/12人、健常人で3/17であった。変異コロニー数は10^7コロニーああり各々40〜367と1〜16で、変異の易発生で有名なataxia telangiectasia患者は43であった。つまり、PNH患者ではHPRT変異が高率に発生していた。骨髄細胞コロニー解析も同じ結果を示していた。罹病期間や治療内容との相関はなかった。HPRT cDNAの塩基配列解析は6TG耐性を支持し、変異はほぼ全領域にみられ集中箇所はなく、また塩基欠損が多く健常人に検出された1塩基置換おは違いがあった。これらの特徴はPNH患者のPIG-A遺伝子変異と似ており、PNH特有の変異原が存在する可能性がある。なお、HPRT変異細胞におけるCD59発現は正常でPIG-A変異は否定的であり、変異発生は特定の細胞に集中していないと思われた。また造血不全や白血病化を共有する再生不良性貧血でも好変異を示し、変異発生機序の追究の方向性が得られた。これらの成果は白血病発生機構の解明に役立つと期待される。
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Research Products
(1 results)