2001 Fiscal Year Annual Research Report
Type1フォンビルブランド病の病因解明にむけた基礎的研究
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12671011
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
松井 太衛 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 講師 (90183946)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜子 二治 藤田保健衛生大学短期大学, 医療情報技術科, 助教授 (80180933)
千谷 晃一 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 研究員 (60179942)
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Keywords | フォン・ビルブランド因子 / ABO血液型 / レクチン / Upshaw-Schulman症候群 / VWF切断プロテアーゼ / ELISA / フォン・ビルブランド病 / ビチセチン |
Research Abstract |
1.健常人血漿由来のフォン・ビルブランド因子(VWF)とtype 1 VWD患者由来のVWF上の糖鎖に構造的な違いがあるかどうかをレクチンを用いたサンドイッチELISA法でスクリーニングした。抗体によってトラップされるVWFに対するレクチンの反応特異性は、VWFを含まないtype 3 VWD血漿を対照として判断した。用いたレクチンでは、非還元末端のガラクトース残基を認識するヒママメ由来のRCA120で、見かけの反応性が強く見られ、VWF上のガラクトース残基の量的な違いはこの方法では明らかにできなかった。しかしながら逆に末端のシアル酸を認識するニワトコ由来のSSAとSNAは、O型由来のVWFと強く反応すること、H型構造を認識するキカラスウリ由来のTJA-IIは、O型由来のVWFとよく反応し、type 1 VWD由来のVWFともよく反応する傾向を発見した。現在さらに詳細にこれらのレクチンの反応性を定量化すべく、アッセイ法を検討している。 2.ヘビ毒中から見いだしたVWF活性化因子であるビチセチンの結晶化を行い、立体構造を明らかにした(Biochemistry 40:13592-13597,2001)。ビチセチンは二つのサブユニットが互いに抱き合い、中央部にリガンド(VWF)結合サイトと思われる窪みを持っていた。この部分には、酸性アミノ酸の集積が認められ、局所的な酸性パッチを形成していることが明らかとなった。これに対応すべくVWF上のビチセチン結合サイトの解析を、部位特異的モノクローナル抗体、アラニンスキャンニング法を用いて行った結果、A1ドメインのボトロセチン結合サイトの近傍に結合することが明らかとなった(論文投稿中)。 3.血中でVWFを切断し、マルチマー構造を作り出すVWF切断酵素が、先天的な血栓性血小板減少性紫斑病であるUpshaw-Schulman症候群患者で欠損しており、このことがその病因となることを明らかにした(Int.J.Hematol.74:101-108,2001)。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Fujiyama, Y., et al.: "von Willebrand factor-cleaving protease and Upshaw-Schulman Syndrome"Int.J.Hematol. 75(1). 25-34 (2002)
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[Publications] Yagi, H., et al.: "Plasma of patients with Upshaw-Schulman syndrome enhances the aggregation of normal platelets under high shear stress"Br.J.Haematol.. 115(4). 991-997 (2001)
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[Publications] Hirotsu, S., et al.: "Crystal structure of bitiscetin, a von Willebrand factor-dependent platelet aggregation inducer"Biochemistry. 40(45). 13592-13597 (2001)
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[Publications] Kinoshita, S., et al.: "Upshaw-Schulman syndrome revisited : a congenital deficiency of von Willebrand factor-cleaving protease, and its correction with fresh frozen plasma"Int.J.Hematol.. 74(1). 101-108 (2001)
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[Publications] Ito, M., et al.: "Complete amino acid sequence of kaouthiagin, a novel cobra venon metalloproteinase with two disintegrin-like sequences"Biochemistry. 40(14). 4503-4511 (2001)
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[Publications] 松井 太衛: "フォン・ビルブランド因子のモジュレータータンパク質であるボトロセチンの立体構造と機能"日本血栓止血学会誌. 12(6). 240-245 (2001)
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[Publications] Sakurai, Y., et al.: "Inhibition of human platelet aggregation by L-amino acid oxidase purified from Naja naja kaouthia venom"Toxicon. 39(12). 1827-1833 (2001)
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[Publications] 松井太衛(共著): "血小板血栓形成の分子機構(関西血栓フォーラム2002)"アイプリコム. 407 (2002)