2002 Fiscal Year Annual Research Report
発作性夜間血色素尿症幹細胞の増殖優位性に関わる遺伝子群の検索
Project/Area Number |
12671012
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
金丸 昭久 近畿大学, 医学部, 教授 (70068534)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嶋田 高広 近畿大学, 医学部附属病院, 助手 (90319674)
松田 光弘 近畿大学, 医学部, 講師 (90258004)
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Keywords | 発作性夜間血色素尿症 / PNHクローン / cDNAサブトラクション / 増殖優位性獲得 / クローニング / PIG-A変異細胞 / SMART-PCR法 |
Research Abstract |
本研究の目的はPNH患者のPNHクローンに発現し、健常人PIG-A変異細胞には発現していないPNHクローン特異的遺伝子群をクローニングすることにより、PNHクローンの増殖優位性獲得に関与する遺伝子群の解明を行うことである。あるPNH患者より採取した顆粒球からマグネットビーズと抗CD59抗体を用いてCD59^+分画とCD59^-分画の分離を行ったところCD59^-分画≧93%の精製が可能であった。こうして得られたPNH患者顆粒球のCD59^-分画とPNH患者顆粒球のCD59^+分画からtotal-RNAを抽出し、SMART-PCR法を用いてcDNAを合成し、suppression subtractive hybridizationを行った。また別の方法としてcDNAマクロアレイを用いて両者間で差次的に発現する遺伝子群のスクリーニングを行った。cDNAマクロアレイのためのcDNAプローブとしては既述したSMART-PCR法で増幅したcDNAライブラリーを用いた。半定量的RT-PCRにより、一例のPNH患者顆粒球のCD59^-分画でCD59^+分画に比べ発現が2倍以上増加している遺伝子を3種類検出したが、他のPNH患者3例では同様の傾向は認められなかった。最近4種類の遺伝子がPNH患者の顆粒球で発現が増強していることが他のグループから報告されたため、我々も7例のPNH患者と5例の健常者についてこれらの4種類の遺伝子の発現量を調べたが、これらの遺伝子がPNH患者で発現が増強している傾向は認められなかった。
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