2001 Fiscal Year Annual Research Report
腎細胞の高浸透圧依存性アポトーシスとオスモライトの細胞保護効果
Project/Area Number |
12671038
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
堀尾 勝 大阪大学, 医学部, 助教授 (20273633)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹中 優 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (20222101)
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Keywords | 腹膜中皮細胞 / 高浸透圧 / アポトーシス / caspase / チトクロームC |
Research Abstract |
MDCK細胞、腹膜中皮細胞を用い、浸透圧依存性アポトーシスについてシグナル伝達機構を検討した。腹膜中皮細胞においてはグルコース添加によりメディウム浸透圧を500〜700mOsmとした。700mOsmの高浸透圧メディウムに置換し、4時間後にcaspase-9、caspase-3活性の著明な増加を認めた。これに対し、caspase-8の活性化は軽度であった。高浸透圧負荷2時間後にチトクロームCのミトコンドリアからの漏出を認めたことよりチトクロームC漏出によるcaspase-9活性化→caspase-3活性化の経路が推測された。チトクロームCの漏出機序を検討するためウエスタンブロットによりアポトーシス関連タンパクであるP53、Bcl-2、Baxの発現変化を検討した。p53タンパク量は500mOsmでは増加し、4時間後にピークを示し、その後24時間まで高値を維持した。p53の標的遺伝子であるMDM2は8時間でピークを示し、p21は4時間後より増加し、24時間後まで増加を続けた。これより500mOsm負荷による増殖抑制はp21を介すると推測された。p53の標的遺伝子でありアポトーシス誘導が知られているBaxのタンパク量変化はなかった。アポトーシスの誘導される700mOsmの高浸透圧環境下ではp53は1時間以内に減少し、Bax、Bcl-2の発現量は変化しなかった。高浸透圧によるアポトーシスではミトコンドリア障害よりチトクロームCの放出がおこり、caspase familyを活性化すると推測され、チトクロームCの放出にp53、Baxは関与しないと考えられた。
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Research Products
(1 results)