2000 Fiscal Year Annual Research Report
どのような食品の蛋白質が糸球体濾過量を強く増加させるか
Project/Area Number |
12671057
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Research Institution | Koshien University |
Principal Investigator |
折田 義正 甲子園大学, 栄養学部, 教授 (70028398)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原納 優 甲子園大学, 栄養学部, 教授 (10028615)
今井 円裕 大阪大学, 医学系研究科・情報伝達医学内科学, 助手 (00223305)
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Keywords | 健常人 / イヌリンクリアランス / 蛋白質急性負荷 / 焼牛肉 / 粉末状脱脂大豆 / 血中グルカゴン / 尿c-GMP |
Research Abstract |
動物性蛋白あるいは植物性蛋白急性負荷によるヒトの糸球体濾過量(glomerular filtration rate,GFR)過剰濾過の実際を検討した。健常男性成人6名(平均年齢24.3歳、平均体重62.8kg、予備検診時Ccr90〜101mL/分/1.48m^2)に3期にわたるクロスオーバー試験により13時間絶食後、焼牛肉(蛋白86.9g)、これと同量の蛋白質を含む焼粉末状脱脂大豆118gと醤油15mLを摂取させた。対象の絶食群には他の2群と同量の食塩、水を摂取させた。焼牛肉、焼粉末状脱脂大豆、醤油もPico-Tag^<TM>ワークステーションで6N塩酸で水解し、試料を乾固し、アミノ酸分析器でアミノ酸を分析した。トリプトファンのみ日本分析センターに分析を依頼した。USPに準拠したイヌリンを用いクリアランス(Cin)を施行した。施行開始30分後に摂食、飲水させた。同時に血中グルカゴン、尿中c-GMPを測定した。焼牛肉と焼粉末状脱脂大豆のアミノ酸量はそれぞれ平均86.9g、85.9g(醤油1.0gで86.9g)で、アラニン、グリシン、アルギニン総量はアミノ酸総量のそれぞれ16.9%、15.3%であった。焼牛肉にはメチオニンが有意に高く、焼粉末状脱脂大豆にはシスチン、トリプトファンが有意に高かった。 絶食群との比較では、Cinが摂食2時間で焼牛肉(P<0.005)、焼粉末状脱脂大豆(P<0.05)とも有意に絶食群より増加した。%変化でも同じ結果であった。蛋白質の急性負荷で動物性蛋白、植物性蛋白とも同様にGFRを上昇させることを始めて示した。摂食により血中グルカゴンは有為に上昇し、消化器系は正常な活動を示したが、尿中c-GMPは絶食群と有意差なく、Cin上昇の原因はc-GMP以外の因子が焼牛肉、焼粉末状脱脂大豆ともに作用していると推定された。
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