2000 Fiscal Year Annual Research Report
MRSA外毒素による新興感染症,新生児TSS様発疹症の病態解析と治療法の検討
Project/Area Number |
12671070
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
高橋 尚人 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (50197159)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今西 健一 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (20132920)
仁志田 博司 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (80104553)
内山 竹彦 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (00050550)
菊池 賢 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (60214748)
加藤 秀人 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (00241084)
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Keywords | MRSA / TSST-1 / 新生児 / スーパー抗原 |
Research Abstract |
1.TSST-1産生MRSAの細菌学的検討 東京女子医大および全国各施設から送付されたMRSAの遺伝子多型をパルスフィールド電気泳動法で解析した。なんと69株のうち67株が同一クローンで、サブタイプは11に分類された。新生児TSS様発疹症(NTED)患児からのMRSA11株のうちA1が5株およびA3が4株と9/11がこのサブタイプで、無症候性保菌児からのMRSA55株のうちA1が38株、A3が7株で45/55がこのタイプであった。現在、本邦新生児室に広まっているMRSAはほぼ単一クローンで、このクローンの蔓延とNTEDの流行が密接に関係しているものと考えられた。 2.MRSA定着予防の検討 本邦の主要新生児施設160にアンケートを行い、より有効と思われるMRSA除菌法を尋ねた。多くの施設が複数の方法で除菌を試みているが有効性が確実な方法がないと考えられた。オゾン水、サリチル酸、カテキン、アルコール、ヨードによる除菌を当科でも検討したが、除菌率に有意差を認めなかった。 3.NTEDの病態解析 NTED患児ではTCR Vβ2陽性T細胞の増幅の前にdown-regulationが見られる。この細胞の変動が新生児と成人で大きく異なることを明らかにした。また、本邦各施設から送付された発疹症患児のリンパ球9検体のうち8検体でTCRVβ2陽性T細胞の増幅を認め、NTEDが全国に広まっていることを確認した。
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Research Products
(1 results)