2001 Fiscal Year Annual Research Report
MRSA外毒素による新興感染症、新生児TSS様発疹症の病態解析と治療法の検討
Project/Area Number |
12671070
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Research Institution | Jichi Medical School |
Principal Investigator |
高橋 尚人 自治医科大学, 医学部, 助教授 (50197159)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仁志田 博司 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (80104553)
内山 竹彦 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (00050550)
本間 洋子 自治医科大学, 医学部, 助教授 (10238826)
菊池 賢 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (60214748)
加藤 秀人 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (00241084)
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Keywords | MRSA / TSST-1 / 新生児 / スーパー抗原 |
Research Abstract |
1.本邦の主要新生児施設162施設に対し初めてNTED症例の詳細を求めたアンケート調査を行った。2000年までにNTED症例経験のある施設は70/87(80.5%)。2000年にNTED症例を経験した施設は44施設で合計205症例、平均4.7症例で最多施設は19例。全症例の在胎週数は平均36.0週。出生体重は平均2374g。発症日齢は0〜54。血小板減少等症例の特徴は従来報告した通りであった。転帰として1例を除く全例軽快・治癒で、1例の死亡例の原因はNTED以外。MSSAによる発症が3例に見られた。 2.1996-1999年までに全国から収集されたNTED由来黄色ブドウ球菌は68株で、いずれもMRSA。そのうち60株についてmultiplex PCR法による毒素遺伝子検出と50株でパルスフィールド電気泳動による型分類等を行なった。60株中54株がTSST-1/SECを産生、他ETA産生が1株、SEBのみ産生するが1株。パルスフィールド電気泳動型の型別はコアグラーゼVII型を示す1株を除く49株は全て、近縁とみられるAtypeでコアグラーゼII型を示し、全てTSST-1,SECを産生していた。AtypeではA1と名付けたクローンが15株を占め、交流のない病院間に広範に広まっていた。 3.自治医科大学総合周産期母子医療センターでMRSA定着防止としてMRSA保菌・非保菌児の区分け、手袋着用での処置、閉鎖式回路による気管吸引法を実施したところ、MRSA保菌までの期間が生後1週間以内から生後2週間に延長し、あわせてMRSA保菌率が40%から20%まで低下した。 4.妊娠30週の妊婦末梢血210例及びその児の臍帯血約70例の抗TSST-1抗体の検討から、約65%の母体・児が抗TSST-1抗体を保有し、lgG1及びlgG4が主要サブクラスであることが判明した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 高橋 尚人: "新生児TSS様発疹症NTED"日本小児科学会雑誌. 105. 1149-1155 (2001)
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[Publications] Kato H, Takahashi N et al.: "Saperantigen-reactive Vβ2^+ T cells exhibit a significant reduction before their massive increase in some acute phase patients with TSS-like exanthematous disease"Infect Chemother.