2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12671089
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
芦澤 潔人 長崎大学, 医学部・附属病院, 助手 (10304932)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江口 勝美 長崎大学, 医学部, 教授 (30128160)
世羅 至子 長崎大学, 医学部・附属病院, 医員
江島 英理 長崎大学, 医学部・附属病院, 助手 (30231187)
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Keywords | 甲状腺癌 / 癌転移 / Cyclooxygenase-2(COX-2) / COX-2選択的阻害剤 / 細胞死 / 乳頭癌 / 濾胞癌 / KAI1 |
Research Abstract |
Cyclooxygenase-2(COX-2)は主に炎症に伴い誘導され、プロスタグランジンを産生する酵素であるが、大腸癌などで過剰発現しており、浸潤、転移、予後に相関がみられるとの報告がある。今回、我々は甲状腺癌でのCOX-2の発現と転移との関連を検討した。正常甲状腺濾胞細胞ではCOX-2の発現は認められなかったが、甲状腺乳頭癌では90%以上の症例でCOX-2の発現が認められ、濾胞癌では75%の症例で発現していた。COX-2の発現の強度と転移との相関は認められなかった。次に、COX-2の甲状腺癌細胞増殖における役割を明らかにするため、COX-2選択的阻害剤を甲状腺癌細胞株の培養液に添加し、細胞増殖に及ぼす影響を検討した。COX-2選択的阻害剤(NS-398)は低濃度では、甲状腺癌細胞の細胞増殖を抑制し、高濃度(正常甲状腺濾胞細胞には影響を与えない濃度)では細胞死を誘導した。以上より、COX-2は甲状腺癌の細胞増殖に関与しており、COX-2選択的阻害剤(NS-398)は治療への有効性の可能性が示唆された。 KAI-1(CD82)は転移関連遺伝子として単離され膵癌、乳癌、肺小細胞癌、食道癌においても原発巣での発現低下と転移とが相関されると報告されており、リンパ節転移と関連が報告されている。この研究において我々は、当院で手術をした甲状腺癌で、転移が認められている症例の甲状腺原発巣でKAI-1の発現を正常部と癌部で免疫染色により比較検討した。KAI-1(CD82)は癌部と非癌部のどちらの部分でも染色されその発現に明らかな差はみられなかった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Sera Nobuko: "Anaplastic changes associated with p53 gene mutation in differentiated thyroid carcinomna after insufficient radioactive iodine (131I) therapy."Thyroid. 10(11). 975-979 (2000)
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[Publications] Origuchi Tomoki: "Regulation of cyclooxygenase-2 expression in human osteoblastic cells by N-acetylcysteine."J Lab Clin Med. 136(5). 390-394 (2000)