2000 Fiscal Year Annual Research Report
転写抑制因子によるGLUT4遺伝子の脂肪細胞におけろ発現調節機構の検討
Project/Area Number |
12671104
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Research Institution | 山梨医科大学 |
Principal Investigator |
横森 宣彦 山梨医科大学, 医学部, 助手 (20293475)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
志村 浩己 山梨医科大学, 医学部, 医員 (40303416)
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Keywords | GLUT4 / レプチン / メチル化 / 脂肪細胞 / 転写抑制因子 |
Research Abstract |
これまで、GLUT4遺伝子上流のCpG siteのメチル化を認識しリプレッサーとして働く約55KDaのmethylation-sensitiveな転写因子の存在を明らかとしてきた。本研究において、脂肪細胞分化前後の3T3-L1細胞におけるマウスレプチン遺伝子プロモーター活性をルシフェラーゼ解析にて検討したところ、レプチン遺伝子の発現していないpreadipocyteにおいても十分な活性が認められた。そこでエピジェネテックな遺伝子の転写調節として、脂肪分化前後の3T3-L1細胞よりゲノムDNAを得てFrommerの方法によりレプチン遺伝子上流(-164bp^〜-1bp)の8つのCpG sitesのメチル化率の変化を検討したところ、preadipocyteではメチル化、adipocyteでは脱メチル化する傾向を示した。次に、フットプリント解析によりpreadipocyte、adipocyte共にプロテクトされ、またルシフェラーゼ解析にて強いエンハンサー活性を有するレプチン遺伝子上流-115bp^〜-70bpにmethylation-sensitiveな結合をする核蛋白をゲルシフト解析、サウスウエスタン解析にて検討したところ、約52kDaのmethylation-sensitiveな転写因子が結合した。SssI methylaseを用いたCpG sitesのメチル化によりレプチン遺伝子の転写は抑制された。また、サウスウエスタン解析の結果より、GLUT4遺伝子、レプチン遺伝子に結合するmethylation-sensitiveな転写因子は同一であると考えられた(投稿中)。これは、CpG siteのメチル化と、これを認識しリプレッサーとして働く共通の転写因子が脂肪細胞特異的遺伝子の発現に関与し、エピジェネテックな遺伝子の転写調節が脂肪細胞分化に寄与していることを示唆していると考えられる。現在、培養脂肪細胞のcDNAライブラリーよりサウスウエスタン法で、この共通の55KDaの転写因子をスクリーニングしている。
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