2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12671125
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Research Institution | Josai University |
Principal Investigator |
川嶋 洋一 城西大学, 薬学部, 教授 (80126515)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤兼 裕子 城西大学, 薬学部, 研究助手
工藤 なをみ 城西大学, 薬学部, 助手 (10161647)
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Keywords | Δ9不飽和化酵素 / クロフィブリン酸 / PPAR |
Research Abstract |
平成12年度は、脂肪酸のΔ9不飽和化酵素の活性調節機構について研究を行った。Δ9不飽和化酵素は高脂血症治療薬クロフィブリン酸によって誘導されるが、この誘導がペルオキシソーム増殖剤活性化受容体(PPAR)を介したものであるかについて検討を加えた。Δ9不飽和化酵素は絶食や高度不飽和脂肪酸によって低下し、高炭水化物食やインスリンにより増加することが知られている。ラットに20%グルコース水やフルクトース水を与えると経時的に活性が上昇した。クロフィブリン酸を皮下投与した場合にも活性は上昇した。しかし、両者を同時に行った場合には、それぞれ単独の場合と有意な差がなかった。生理的条件下においてΔ9不飽和化酵素と非常によく似た活性変動を示すパルミチン酸炭素鎖伸長酵素活性は、グルコース水やフルクトース水、およびクロフィブリン酸により活性上昇を示した。両者を同時に与えると、それぞれの単独よりも有意に高い値を示した。一方、PPARによって調節されることが明かとなっている、アシルCoA合成酵素はクロフィブリン酸を投与した場合にのみ活性が上昇した。以上の結果から、クロフィブリン酸によるΔ9不飽和化酵素活性誘導は、糖/インスリンを介した二次的なものである可能性が示唆された。Δ9不飽和化酵素の遺伝子のプロモーター領域にはPPREがあるという報告もあるが、実際に生理的意義があるかどうかについては不明であった。本研究によって、クロフィブリン酸による活性の誘導には何らかのかたちで糖代謝が関係していることが明かとなった。次年度以降はさらにこの点について詳細な解析を進めていく予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Kudo,N.and Kawashima,Y.: "Effects of perfluorooctanoic acid on the synthesis of phespho-lipids in the liver of mice fed a dietary soy bean oil, perilla oil or fish oil."Journal of Health Science. 47(2). 7-13 (2001)
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[Publications] Mizuguchi,H, et al.: "Metabolic alterations by clofibric acid in the formation of molecular species of phosphatidylcholine in the liver of rats"Biochemical Pharmacology. (in press). (2001)