2001 Fiscal Year Annual Research Report
脾細胞を用いた免疫寛容の誘導-その脳死及び生体移植への応用を目指して
Project/Area Number |
12671137
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
鳴海 俊治 弘前大学, 医学部・附属病院, 助手 (90250612)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
袴田 健一 弘前大学, 医学部・附属病院, 講師 (30271802)
佐々木 睦男 弘前大学, 医学部, 教授 (10005077)
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Keywords | 移植免疫 / 骨髄移植 / 脾細胞 / 免疫寛容 / 抹梢血幹細胞 |
Research Abstract |
免疫寛容を誘導する目的で脾細胞を用いたchimerismの誘導の可能性を検討し,これまでに下記の知見が得られた。 1 chimerismを誘導するための脾細胞と骨髄細胞の至適割合の検索 これまで通常の報告ではマウスでは30x10^6個以上の骨髄細胞が投与されないと有効なchimerismを作成できなかったが,10x10^6以上の脾細胞を混入することで通常の1/10である3x10^6個の骨髄細胞で有効なchimerismが作成された。これよりごく少量の骨髄細胞でのchimerismの誘導が可能であることが判明した。また、脾細胞分画をT-cell-enrich, B-cell-enrich, macrophage-depletedに分け,それぞれの役割を検討したところ,T-cell-enrichでより有効なchimerismが作成された。またmacrophage-depletedでも通常の脾細胞を混入した場合と同様にchimerismが作成された。これらに加えて、macrophage-depleted群でGVHDが生じる頻度が有意に減少したため、macrophageがGVHDに対する関与が示唆された(Transplant immunology発表予定)。 2 抹消血幹細胞移植との組み合わせの検討 G-CSFをドナーマウスに投与し抹消血幹細胞を採取し,骨髄細胞と同様に脾細胞と組み合わせて投与したところ,有効なchimerismが作成された。 2 GVHD抑制に関して 上記の実験系では少数ながらGVHDが発生することから、その抑制が急務となる。基本的にはT-cellがその大きな役割を果たしていると考えられるが、一方chimerismの誘導にも大きく関与していることから、T-cellを除去せずにGVHDを抑制する方法を検討中である。
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Research Products
(1 results)