2000 Fiscal Year Annual Research Report
HLA分子由来ペプチドと遺伝子導入樹状細胞を用いた寛容誘導の研究
Project/Area Number |
12671142
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
別宮 好文 東京大学, 医科学研究所, 助手 (70199454)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田原 秀晃 東京大学, 医科学研究所, 教授 (70322071)
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Keywords | 樹状細胞 / 免疫制御 / 免疫寛容 / 遺伝子導入 / トランスジェニックマウス / 異所性心移植モデル / HLAクラスI抗原 |
Research Abstract |
研究計画要旨及び実績概要:我々は以前、HLA抗原(HLA-B35及びHLA-B51)を移入したTransgenic mouse(TGM)2種類を作成し,HLAクラスI分子の免疫応答における役割を直接in vivo(異所性心移植モデル)で解析するシステムを開発した。このモデルにおいてドナー由来の合成ペプチドをレシピエント胸腺内に投与することにより移植心の生着延長を認めている(60日以上)。今回我々は、成人の退化した胸腺に変わり得るものとして、強力な抗原提示能を有する樹状細胞(DC)に着目し、遺伝子レベルで操作したDCと、上記アロ由来ペプチドとの接触により、胸腺内投与により得られたのと同様の末梢性免疫寛容を上記TGM移植モデルにおいて誘導することを目的としている。研究の進捗状況を以下に示す。HLA抗原を移入したTransgenic mouse(TGM)2系統(HLA-B51TGM及びHLA-B35TGM)の胚移植による回復:HLA-B51TGMは雌雄共にホモ接合性の繁殖可能な個体が得られている。HLA-B35TGMはホモ接合性の雄の個体のみ得られているため、戻し交配及び人工授精により繁殖可能な雌雄の組み合わせを得るべく計画中である。遅くとも平成十三年3月下旬には心移植移植実験に用いる個体を確保できる予定である。マウス異所性心移植技術的安定:当研究室に於いて既に確立済みである。マウス樹状細胞(DC)採取技術の確立、形質及び機能評価:現在in vitroにて形質及び機能の評価を行なっている。遺伝子レベルでの樹状細胞(DC)操作:適切なウイルスベクター、導入遺伝子、パッケージング細胞系列は既に準備済みであり当研究室にてDCにおける有効性が確認されている。総括:研究計画の進行は概ね順調である。
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