2002 Fiscal Year Annual Research Report
アップルペクチン発癌抑制メカニズムの解析-活性酸素抑制とDNA酸化的損傷の関連
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12671148
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Research Institution | TOYAMA MEDICAL AND PHARMACEUTICAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
田澤 賢次 富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (80018887)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 隆 富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (40143937)
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Keywords | アップルペクチン / マイクロチャンネルアレイ / 血液流動性 / 暗視野顕微鏡 / 赤血球連鎖 / 活性酸素 |
Research Abstract |
【目的】アップルペクチンについては活性酸素消去作用、大腸癌の抑制作用、癌肝転移抑制などを明らかにしてきた。今回は、活性酸素消去作用が血液に影響を与えているかを、血液流動性の観点からMC-FAN(Microchannel Array Flow Analyzer)を用いて検討した。 【方法】前回検討したアップルペクチンを4錠に270mg含有する製品を試作し、一日3回毎食後3錠摂取させた。被験者は健康な21歳〜30歳の女性9名、男性1名の10名である。アップルペクチンの摂取前、1週間後、2週間後の血液流動性について検討した。摂取前、1週間後、2週間後に採血し、遅滞なく全血試料の約200μlを巾7μm、長さ30μm、深さ4.5μm、8736本並列のマイクロチャンネルアレイとMC-FAN(日立原町電子工業)を用いて20cm水柱高低差で流し、100μlの通過時間を求めた。生理食塩水100μlの通過時間で補正し比較を行った。血清学的検査はTP、ALB、AST、ALT、LDH、ALP、γ-GTP、T-Bil、CRE、BUN、UA、AMY、総コレステロール、HDL-Cho、TG、Na、K、Cl、カタラーゼ、SOD、過酸化脂質、血糖値を、暗視野顕微鏡にて赤血球像(Live Blood Analysis)を検討した。分析にはTukey法を用いた。 【成績】全血通過時間の平均値は摂取前44.52±1.91秒/100μl、1週間後35.54±1.76秒/100μl、2週間後には45.24±2.70秒/100μlとなり、1週間後に有意差が認められた。血液赤血球像の変化では赤血球連鎖の摂取前0.95±0.16点、1週間後0.15±0.11点、2週間後には0点となった。変形赤血球でも摂取前1.10±0.16点、1週間後0.45±0.14点、2週間後0.15±0.11点と各群間で有意差が認められた。血清学的検査では過酸化脂質が摂取前0.60±0.06nmol/ml、2週間後には0.40±0.06nmol/mlと低下し有意差が認められた。10人中5人に便秘の改善をみた。 【結語】アップルペクチンは全血通過時間平均値において、摂取前と比べ摂取1週間後に有意に短縮がみられた。赤血球連鎖は1週間後、2週間後に有意に減少し、過酸化脂質の減少も見られた。以上の結果はアップルペクチンの活性酸素消去作用が関与している可能性が示唆された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 田澤賢次他: "アップルペクチンの癌抑制作用と活性酸素抑制"医学のあゆみ. 204(1). 85-90 (2003)
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[Publications] 田澤賢次: "ガンや老化,動脈硬化の元凶を消し去るリンゴ食物繊維ペクチンの力は加熱すればさらに効果が5倍に高まる"健康. 11. 72-73 (2002)
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[Publications] 田澤賢次: "焼きリンゴは活性酸素の働きを強力に抑えて大腸癌の発生を阻止すると判明"安心. 3. 164-166 (2002)
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[Publications] 田澤賢次: "リンゴ繊維アップルペクチンが体重の増加を明らかに抑えることが判明"ゆほびか. 9. 66-67 (2001)
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[Publications] 田澤賢次: "1日1個のりんごで,発がん物質を効率良く消し去ることができる"がん抑制の食品事典. 第1刷. 108-113 (2003)
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[Publications] 田澤賢次, 水島豊: "天然アップルペクチン-男と女の腸内ミステリー"株式会社冬青社・イルカBOOKS. 1-188