2000 Fiscal Year Annual Research Report
アンチセンスMMP-9オリゴヌクレオチドによる大動脈瘤の遺伝子治療
Project/Area Number |
12671160
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
善甫 宣哉 山口大学, 医学部, 助教授 (00206666)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹中 博昭 山口大学, 医学部・附属病院, 助手 (00314807)
藤岡 顕太郎 山口大学, 医学部・附属病院, 講師 (80238542)
江里 健輔 山口大学, 医学部, 教授 (10034943)
|
Keywords | 大動脈瘤 / アンチセンスオリゴヌクレオチド / Matrix metalloproteinase-9 / プルロニックジェル / 膵エラスターゼ / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
膵エラスターゼによるラット腹部大動脈瘤モデルにおいて、アンチセンスmatrix metalloproteinase-9(MMP-9)オリゴヌクレオチドを動脈瘤周囲に局所投与し、瘤径の縮小効果を検討することを目的とした。 1.膵エラスターゼ潅流によるラット腹部大動脈瘤モデルの作成 体重280-370gのラットを全身麻酔下に開腹し、腎動脈下腹部大動脈を10-15mmにわたり露出し、絹糸を通す。腎動脈下腹部大動脈および腰動脈をマイクロ遮断鉗子で遮断し、左大腿動脈より挿入したPE-10カテーテルを腹部大動脈に留置、大動脈末端を絹糸で遮断する。カテーテルより25単位/mlの膵エラスターゼを100mmHgの圧で1ml/時間の速度で30分間注入し(6-12単位)、大動脈瘤を作成した。 現在までに22匹のラットを用いて予備実験を行い、腹部大動脈の剥離手技、カテーテル挿入方法、エラスターゼ濃度、注入速度、注入時間、注入圧を決定した。また、観察期間は術後1週間とした。 2.アンチセンスMMP-9オリゴヌクレオチドの局所投与 上記の膵エラスターゼ潅流によるラット腹部大動脈瘤作成直後に、プルロニックジェル、アンチセンスMMP-9オリゴヌクレオチド含有プルロニックジェルを塗布した群をそれぞれ作成し、1週間目に犠牲死させた。 現在までに17匹のラットにプルロニックジェルまたはアンチセンスMMP-9オリゴヌクレオチド含有モデルを作成した。アンチセンス群の数が今だ少ないため、動脈瘤径の縮小効果は検討できていない。 今後、アンチセンス群の数を増やして、動脈瘤の縮小効果を検討する予定である。また、zymographyによりプルロニックジェル群とアンチセンス群で動脈瘤壁中のMMP-9活性の半定量評価を行う予定である。
|