2001 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍拒絶抗原遺伝子・サイトカイン遺伝子導入樹状細胞による免疫遺伝子治療の基礎研究
Project/Area Number |
12671170
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
中森 幹人 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (10322372)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山上 裕機 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (20191190)
岩橋 誠 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (70244738)
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Keywords | 免疫遺伝子治療 / 樹状細胞 / アデノウイルスベクター / 腫瘍抗原遺伝子 / GM-CSF / 遠心法 |
Research Abstract |
本年度は昨年度に作製した腫瘍抗原env-1発現アデノウイルスベクターAxCAenv-1を樹状細胞(DC)に遺伝子導入し、これを用いた抗腫瘍効果と免疫学的解析を検討した。 「方法」マウス背部皮下にマウス大腸癌細胞株CT26を皮下接種し、5日後にDC-AxCAenv-1またはDC/AH-1(CT26の腫瘍抗原gp70遺伝子のimmnodominant peptideをパルスしたDC)を皮下接種して腫瘍の増殖抑制効果を比較した。 「結果」皮下腫瘍モデルにおいて、DC-AxCAenv-1接種群では、DC/AH-1接種群に比べて、腫瘍の増殖を著しく抑制し(P<0.01)、予後も有意に延長した(p<0.01)。さらに、GM-CSF発現アデノウイルスベクターAxCAmGM-CSFとの併用効果も確認できた。また、免疫学的解析の結果、CT26特異的細胞傷害性Tリンパ球(CTL)の誘導が確認でき、CD8+CTLのみならず、CD4+CTLが関与していることが示唆された。 「考察と展望」複数の内因性ペプチドを提示する腫瘍抗原遺伝子導入DCによるワクチン療法は抗原ペプチドをパルスしたDCよりも抗腫瘍効果を示し、サイトカイン遺遺伝子治療との併用で効果が増強することが判明した。本年度で得られた結果は、本年度の目標を達成できており、皮下腫瘍モデルにおける抗腫瘍効果にCD4+CTLが関与していることについては実に興味あるものと考える。 次年度には、将来の臨床応用を想定した大腸癌同所移植モデル(orthotopic model)においてもこれらに現象を確認し、近年注目されているケモカインレセプターの発現が免疫学的抗腫瘍効果に関連しているか否かについても検討する予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Nakamori M et al.: "Dose of adenoviral vectors expressing interleukin-2 play an important role in combined gene therapy with cytosine deaminase/5-fluorocytosine : Preclinical attention"Jpn J Cancer Res. 94(in press). (2002)
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[Publications] Ueda K et al.: "Carcinoembryonic antigen (CEA)-specific suicide gene therapy of cytosine deaminase (CD)/5-FC enhanced by Cre/loxP system in the orthotopic gastric carcinoma model"Cancer Res. 61. 6158-6162 (2001)
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[Publications] Iwahashi M et al.: "Complete response of highly advanced gastric cancer with peritoneal dissemination after new combined chemotherapy of S-1 and low dose-cisplatin : Report of a case"Oncology. 61. 16-22 (2001)