2001 Fiscal Year Annual Research Report
蛍光物質を用いた微小癌転移巣の検出-特にリンパ節と腹膜播種検出への応用-
Project/Area Number |
12671220
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
笠井 保志 名古屋大学, 大学院・医学研究科, 助手 (10273244)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中尾 昭公 名古屋大学, 大学院・医学研究科, 教授 (70167542)
伊藤 勝基 名古屋大学, 大学院・医学研究科, 講師 (90184647)
秋山 清次 名古屋大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (40202551)
|
Keywords | 蛍光ラテックス / 微少転移 / レクチン / 内視鏡手術 / リンパ節 |
Research Abstract |
1 使用した蛍光検出システムは、オリンパス社製の内視鏡システムに蛍光用の光源と検出用フィルターを装着したものである。ブタを用いて蛍光過敏症がなく人体への応用可能な蛍光物質である制癌剤のアドリアマイシン・肝機能評価薬のインドシアニン・グリーン(ICG)を使用した。しかし、これら薬剤の発する蛍光は微弱であり、本システムでは検出不可能であった。 2 蛍光標識物質(ラテックス粒子)によるリンパ流およびリンパ節の観察をおこなった。FITC蛍光ラベルしたラテックス粒子を使用し、血管やリンパ管の口径差やリンパ節での捕食程度に差をつけた。結果は、リンパ流およびリンパ節の観察は可能であった。ラテックス粒子の大きさは比較的大きなサイズのものがリンパ節の可視化には有用であった。しかし、蛍光強度は必ずしも十分なものとはいえず、また特異性も高くは無かった。しかし、ブタを用いた内視鏡下手術環境は、体腔内での蛍光物質検出がより容易な条件を提供することができ、本システムでの可視下が可能であった。 3 微少な癌転移巣のみを検出するために、検出物質に特異性をもたせる必要がある。そこで、癌部にのみまたは癌部に強く発現する抗体を検索した。各種の糖鎖抗原に関して、胃癌および腫瘍内血管における糖鎖抗原の発現を検討した。特に、各種の硫酸化抗原に関して検討したが、腫瘍血管新生に伴って発現される未知の硫酸化糖鎖を検出していると推測される抗体G270-37を認めた。その結果、胃癌部に特異的に発現している可能性が示唆され、癌の微少転移に対して特異的な検出が可能になると考えられる。
|