2000 Fiscal Year Annual Research Report
癌細胞浸潤における血管内皮細胞および癌細胞での刺激伝導系の解明
Project/Area Number |
12671224
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
有吉 秀男 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (60294055)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
左近 賢人 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (40170659)
中森 正二 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (70294080)
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Keywords | 癌浸潤 / 内皮細胞開裂 / 細胞内遊離カルシウム |
Research Abstract |
ヒト膵臓癌培養株、PSN-1,および乳癌細培養株、MCF-7,胞培養上清により内皮細胞開裂、および、細胞内遊離カルシウム濃度のオシレーションが誘導される事を見出した。細胞内遊離カルシウム濃度のオシレーションは細胞外液にニッケルイオンを添加する事により消失する事より細胞外よりのカルシウム流入である事を明らかにした。このカルシウム流入はマウス繊維芽細胞のNIH3T3、等の良性細胞、及びマウス悪性リンパ腫細胞株であるBL6においても認められ、培養上清の95℃、30分間の加熱処理によっても消失しなかった。一方、内皮細胞開裂現象はPSN-1,及び、MCF-7のヒト癌細胞培養上清のみに認められ、マウスの良悪性細胞株、ヒト良性細胞株によっては惹起されなかった。又、この開裂現象はカルシウムオシレーションと異なり、ニッケルイオン添加によりカルシウム流入が抑制された条件下でも観察されたが、加熱培養上清によっては惹起されなかった。これらの研究成果より、血管内皮細胞開裂を生じる癌細胞よりの分泌物は、耐熱性ではなく、おそらく細胞内遊離カルシウム濃度非依存性に内皮細胞内の活性化を生ずるものと考えられた。現在、その詳細を明らかにする為、rho等を介した刺激伝導系の検討を開始しており、併せて、血管内皮細胞開裂を生じる癌細胞よりの分泌物、及びそのレセプターの解析、同定を試みている。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Aono Y., et al: "Human umbilical vein endothelial cells (HUVECs) show Ca2+ mobilization as well as Ca2+ influx upon hypoxia"J Cell Biochem. 78. 458-464 (2000)
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[Publications] Kishimoto S., et al: "The3 inhibitory effect of prostaglandin E1 on oxidative stress-induced hepatocyte injury evaluated by calpain-μ activation"Transplantation. 69(11). 2314-2319 (2000)