2001 Fiscal Year Annual Research Report
尿中ビリルビン酸化物測定による敗血症及び術後合併症の早期診断と重症度評価
Project/Area Number |
12671234
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
清水 周次 九州大学, 医学部・附属病院, 助教授 (70274454)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千々岩 一男 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (90179945)
山口 幸二 九州大学, 医学部・附属病院, 講師 (50191226)
黒木 祥司 九州大学, 医学部・附属病院, 講師 (30215090)
山口 登喜夫 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教授 (30134745)
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Keywords | ビリルビン / 敗血症 / 酸化ストレス / 抗酸化剤 / 尿 / 重症度 / 外科手術 / 合併症 |
Research Abstract |
[緒言]我々は、従来よりビリルビンの抗酸化作用に注目し、独自に開発した単クローン抗体を用いて尿中ビリルビン酸化物(BOM)を測定してきた。そしてこのBOMが、生体内で産生された活性酸素をビリルビンが中和・消去した産物と考えられることを報告した。今回、敗血症患者において尿中BOMを測定し、その意義について検討した。 [方法]当科に入院した消化器外科領域感染症に伴う敗血症症例20例についてBOMを免疫酵素抗体法(ELISA)法を用いて測定し、対照群29例と比較した。さらに尿中BOMと他の炎症性マーカーとの相関を求めた。敗血症の原因疾患は腹膜炎6、肝膿瘍4、胆道感染3、その他7例であった。血清ビリルビン値に及ぼす影響を除外するため、過去1ヶ月以内の輸血例とトランスアミナーゼ100IU/L以上の肝障害例は対象より除外した。 [結果]尿中BOMは各群23.9±14.7、1.4±2.1μM/mg creatinineと敗血症群で有意に高値であった(P<0.0001)。尿中BOMと体温、末梢血中白血球数、血清CRPの間には強い正の相関を認めた(各々P<0.0001)。尿中BOMの感度は100%、特異度は96.6%であった。 [結語]尿中BOMは生体の酸化ストレスの程度を鋭敏に反映すると考えられた。さらに尿中BOMが体温、末梢血中白血球数、血清CRPなどの炎症性マーカーとよく相関することから、尿中BOMが新たな炎症のパラメーターとして外科感染症の早期発見に利用できる可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Kazahiro Otani, Shuji Shimizu, Kazuo Chijiiwa, et al.: "Increased urinary excretion of bilirubin oxidative metabolites in septic patients : a new marker for oxidative stress"Journal of Surgical Research. 96. 44-49 (2001)