2000 Fiscal Year Annual Research Report
消化器癌の微小転移巣に対する遺伝子封入マイクロスフェアーの基礎的研究
Project/Area Number |
12671238
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
高尾 尊身 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (80171411)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉澤 秀和 岡山大学, 環境理工学部, 助教授 (20244262)
愛甲 孝 鹿児島大学, 医学部, 教授 (60117471)
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Keywords | 遺伝子治療 / ドラッグ・デリバリー・システム / マイクロスフェアー / リンパ節転移 / 癌抑制遺伝子 |
Research Abstract |
W/O/Wエマルションの液中乾燥法による生分解性高分子マイクロスフェア(MS)の調製条件について検討した。内水相には、りん酸緩衝溶液(pH7.2)、有機相には、ポリ乳酸(PLA)を含むジクロロメタン溶液に油溶性界面活性剤818SXの1wt%溶液を使用した。外水相として、0.1M NaClに分散安定剤PVAを4wt%、水溶性界面活性剤Q12Sを1wt%となるようにElix水に溶解させた水溶液を用いた。使用したPLAはD/L比が1:1で重量平均分子量は59,000であった。なお、本実験で用いた2種類の界面活性剤は、食品添加物として既に使用されている。 W/O/Wエマルショシの調製方法であるが、内水相を有機相中に加え、ホモジナイザーによる1次乳化で内水滴径が約1μmのW/Oエマルジョンを作製した。反応器中の外水相にW/Oエマルションを徐々に添加、攪拌しながら2次乳化を行った。調製したW/O/Wエマルションを昇温し24時間液中乾燥後、ろ過もしくは遠心分離により微粒子を回収した。 液中乾燥段階におけるジクロロメタンの除去は、有機相のPLA濃度を5wt%、2次乳化を500rpmで10分、液中乾燥を500rpm・35℃で3時間真空ポンプにより減圧した。その結果、微粒子の凝集塊状体が生成したが、減圧直後の溶媒強制除去によると考えられた。このため、液の乱れがないようにバルブ操作により減圧度を適時調節することにより、粒径2〜3μmのMSを得ることができた。次に、液中乾燥時の攪拌速度の低下によりMS径の増大を試みたところ、攪拌速度(300rpm、150rpm、100rpm)の変化にかかわらず平均粒径は一定であった。さらに、有機相中のPLA濃度(5wt%、9wt%、10wt%)と有機相の粘度を増加させることにより、30μm〜50μmのMSを得ることができた。今後、PLA濃度の影響を詳細に検討すると共に、内水相にトレーサー(蛍光標識蛋白質)を加えることで、MSへの担持量について検討する。
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