2000 Fiscal Year Annual Research Report
胃切除後の食道粘膜の防御機構の変化と分子異常の解明-Barrett食道について
Project/Area Number |
12671243
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
天野 富薫 横浜市立大学, 医学部・附属病院, 助教授 (20112485)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
利野 靖 横浜市立大学, 医学部・附属病院, 講師 (50254206)
今田 敏夫 横浜市立大学, 医学部・附属病院, 教授 (50168514)
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Keywords | 逆流性食道炎 / Eicosanoid / 細胞内pH / pHモニター |
Research Abstract |
本研究は胃切除後の逆流性食道炎を(1)食道粘膜の細胞障害(2)食道粘膜の遺伝子異常から検討するものである。 本年度は(1)食道粘膜の細胞障害の評価を臨床例で行った。 対象症例:胃癌に対し胃切除(亜全摘例10例、全摘例5例)を施行した15例 1)内視鏡所見による逆流性食道炎の判定と食道内pH、ビリルビンの測定結果 亜全摘例10例のうち2例、全摘例5例のうち3例に逆流性食道炎を認めた。PH測定によるパターンをみると、亜全摘例は酸とアルカリの逆流で全摘例はアルカリ逆流であった。pH7以上のアルカリ逆流時間は食道炎所見陽性例で49.9%、陰性例で37.7%と差を認めた。ビリルビンの測定は、現在2例に測定したのみで症例を増やし解析の予定である(本研究が追加採用であったためビリルビンモニターシステムの購入が遅れた) 2)食道組織の病理所見と組織内のEicosanoidの測定 15例のうち逆流性食道炎の所見が認められた5例のうち組織学的にも逆流性食道炎の所見が認められたものは3例で、逆に内視鏡的に所見がなかった症例10例のうち3例に組織学的食道炎が認められ、内視鏡所見と病理組織所見の不一致がみられた。組織内のEicosanoidのうちLTB4は食道炎症例に高い傾向が見られたが、関連性の検討は今後更に症例を増やす必要がある。 3)細胞内のpH測定 培養細胞を用いて、Flow cytometryによって530nmのフィルターで蛍光強度を測定し、nigericin/K法で検量腺を作成した。現在、細胞内のpHを一定にしたままで、どのような細胞採取法が良いかを検討中である。 (2)食道粘膜の遺伝子異常を検討のために、既に上記症例の食道粘膜の組織は採取しPCRと免疫染色用に保存している。
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