2000 Fiscal Year Annual Research Report
DNAマイクロアレイを用いた胃癌リンパ節転移能の術前遺伝子診断
Project/Area Number |
12671245
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
秋山 浩利 横浜市立大学, 医学部・附属病院, 助手 (80305466)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡崎 康司 理化学研究所, ゲノム科学総合研究センター, チームリーダー (80280733)
林崎 良英 理化学研究所, ゲノム科学総合研究センター, プロジェクトデイレクター (70192705)
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Keywords | DNAマイクロアレイ / 胃癌リンパ節転移 |
Research Abstract |
胃癌の治療方針は画像検査により壁深達度,リンパ節転移の有無,遠隔転移を診断しているが、その感度・特異度は低く限界があり、確実にリンパ節転移の有無を診断する指標の必要性が高まりつつある.リンパ節転移が確立するには癌遺伝子の他に様々な分子が関与しており,それら多くの分子変化を遺伝子レベルで調べることは術前リンパ節診断に有用であり,その発生機序を解明するうえで重要である.本研究では深達度sm及び、mpの胃癌症例の手術摘出標本の癌部及び正常粘膜よりmRNAを抽出し、各mRNAを鋳型にして蛍光色素であるCy3、Cy5でラベリングしたcDNAを合成し、Riken human 25K arrayにハイブリダイズし、二蛍光標識法により、約25000種の遺伝子について発現プロファイルを作製する.続いてリンパ節転移の有無,深達度,腫瘍径,肉眼型,脈管侵襲などの表現型による遺伝子発現の変化を解析し,有意に発現の変化する主要な遺伝子については、Northern blottingにより定量的に発現を調べる.同定された遺伝子及び,EGFR,p53,cyclin D,Cadherin等の既知の悪性度に関与する遺伝子について術前生検標本を用いた遺伝子解析をRT-PCR法で行い,タンパク発現を免疫染色で検出し手術摘出標本のリンパ節転移陽性群,陰性群に分け比較し,各遺伝子の術前リンパ節転移診断能を解析する.更に胃癌高転移細胞株を用いてヌードマウスに移植し,各遺伝子のアンチセンスによる転移抑制能を調べ遺伝子治療に臨床応用可能な新しい遺伝子を検索する.胃癌における遺伝子発現プロファイルを作製することによりmalignant potentialに関連する遺伝子を同定することは術前診断に有用なばかりではなく臨床応用可能な遺伝子治療のターゲットとなりうる可能性もる.
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