2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12671276
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
秋丸 琥甫 日本医科大学, 医学部, 助教授 (40142541)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平方 敦史 日本医科大学, 医学部, 助手
峯田 章 日本医科大学, 医学部, 助手
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Keywords | 門脈 / 再建 / 腹膜 |
Research Abstract |
大静脈(下大静脈、門脈、肝静脈)は癌浸潤で切除後、あるいは外傷や良性狭窄で再建を必要とする場合に、再建材料として腹膜の使用が適当であるかを証明するために、ブタを用いた実験を行ってきた。まず、2年前に下大静脈を腹膜のpatchで再建する実験を行って良好な成績をおさめ、内外の学会でまた誌上(American Journal of Surgery,179:289-293,2000)で発表してきた。この度の"腹膜を用いた門脈再建"は、それに続く実験で腹膜のtube graftで門脈を再建する実験である。本実験は、予備実験として、腹膜のpatchgraftを使って門脈再建をブタで行い臨床応用可能な成績が得られた。すなわち、7匹のブタを用いて全麻下に上腹部横切開後、腹膜をアルコール固定してpatch graftを作成する。門脈の前壁を切除し、これを先のpatch graftで再建を行った。術中にヘパリンを使用したが術後は抗凝固療法も抗生物質も使用せず、経時的にsacrificeして再建部分を病理組織学的に観察した(最長7週間)。縫合部分は1週間で血管内皮で被われ2週間では腹膜patchも内皮で完全に被われた。全経過中に門脈に血栓形成や閉塞は1例もみられなかった。以上はAmerican Journal of Surgery,2001に掲載予定である。さらに、臨床で大腸癌の肝転移症例に対して、癌浸潤のある中肝静脈を切除後に腹膜patchで再建し、15ヵ月経った現在、画像では肝静脈の閉塞を全く認めず壁に異常を認めない。腹膜は静脈の再建材料として適当であり,腹膜tube graftを用いた門脈再建を実験中である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Koho Akimaru: "Reconstruction of the vena cava with the peritoneum"The American Journal of Surgery. 179・4. 289-293 (2000)
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[Publications] Masato Yoshioka: "Reconstruction of the portal vein using a peritoneal patch graft"The American Journal of Surgery. (in press). (2001)