2000 Fiscal Year Annual Research Report
G2チェックポイント選択的阻害分子による消化器癌化学療法剤薬剤感受性増強に関する研究
Project/Area Number |
12671277
|
Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
桜井 洋一 藤田保健衛生大学, 医学部, 助教授 (60170651)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神保 康子 藤田保健衛生大学, 医学部, 助手 (50308871)
船曳 孝彦 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (40084537)
|
Keywords | G2チェックポイント / 化学療法剤感受性 |
Research Abstract |
消化器癌症例切除組織より得られた癌細胞に対し、CD-DST法およびMTT-assayを用いたin vitro試験を行い、化学療法剤(塩酸ブレオ)感受性、ならびにG2Cp破壊をきたすpeptideであるTAT-S216(改良型ペプチド、AACR2001発表)の化学療法剤感受性の増強効果を検討し、各種化学療法剤との併用効果をした際の至適薬剤の決定、至適用量などを基礎的検討をおこなった。使用した培養細胞株はHCT-116,SW-620 (大腸癌細胞株)、PANC-1(膵癌細胞株)であり、ブレオマイシン(BLM)に対する感受性をBLMに72時間接触させることにより測定した。その結果HCT-116のIC50が最も低くHCT-116を用いて実験を施行することとした。さらにHCT-116に対し24,48時間の接触を追加し、BLMのdose-response curveを作製し、もっとも抗腫瘍効果増強が明らかとなるBLMの至適投与量は5.0μg/mlとした。これらの条件で抗腫瘍効果増強ペプチドのBLMの抗腫瘍効果増強をCD-DST法、およびMTT-assayを用いて測定した。ペプチドは200μMの濃度で使用した。実験群はBLM単独、BLM+peptide、peptide単独、BLM+DMSO(peptideの溶媒)、DMSO単独であり、24,48,72時間接触後に抗腫瘍効果を判定した。その結果いずれの接触時間後においてもBLM,BLM+peptide,BLM+DMSOの三群の間に差は認めなかった。MTT-assayの結果も同様であった。したがって、今回の条件設定における実験結果からはpeptideのBLMに対する抗腫瘍効果の増強効果は認められなかった。今後HCT-116の培養条件に関する工夫やpeptide濃度の再検討、CD-DST法のcollagen-gel内におけるBLM,peptideの分布などの検討が必要であると思われた。
|